6月のある日曜日、母親に見送られ、野球のユニフォームに身を包んだ康汰と綾佑は、単身赴任の父に会いに行くため駅へと向かう。胸を高鳴らせながら二人は電車に飛び乗り、父の住む新潟へ初めての二人旅に出る。その頃、息子たちが自分に会いに来ることなど想像もしていない父・隆夫(時任三郎)は、仕事上のトラブルで取引先である材木店へ向かっていた。納品物を積んだトラックが事故を起こしてしまったのだ。八方に手を尽くす隆夫だが、刻々と時間だけが過ぎていく。一方、初めての経験に戸惑う康汰と綾佑は、失敗を繰り返しながらもなんとか父の家に辿り着く。しかし、いるはずの父は家にはいない。すでに日は傾く頃だ。不安な気持ちで父を捜しに出かける彼らの目に写ったのは、野球場だった。