前途有望なボクサーとして活躍していたジム・ブラドック(ラッセル・クロウ)は、1929年、右手の故障がきっかけで勝利に見放され、引退を余儀なくされる。時を同じくして大恐慌がアメリカを襲う。生活に困窮したジムは、妻メイ(レネー・ゼルウィガー)と3人の子供を抱えつつ、過酷な肉体労働でわずかな日銭を稼ぐが、そんな仕事にすらありつけない日の方が多かった。しかしある時、ボクサー時代のマネージャーだったジョー・グルード(ポール・ジアマッティ)が、世界ランキング2位という新進ボクサーとの試合の話を持ち掛けてくる。勝ち目などない一夜限りのカムバックだったが、その報酬が必要だったジムは、夫の身を案じるメイを振り切って、再びリングに立つ。