所属していたオーケストラが解散して、失業したチェロ奏者の小林大悟(本木雅弘)。やむなく彼は妻の美香(広末涼子)と二人、実家である山形へと帰った。その家は、2年前に死んだ母親が残してくれた唯一の財産だった。愛人を作った父が家を出たあと、母は女手ひとつで大悟を育ててくれたのだ。新たな職を探す大悟が行きあたったのは、佐々木(山崎努)が経営する納棺師という仕事だった。死者を彩り、最期のときを送り出すという業務の過酷さに、大悟は戸惑いを隠しきれない。しかし、佐々木と事務員の百合子(余貴美子)の持つ温もりに惹かれて、大悟は「おくりびと」となった。美香にすら、その仕事の内容を明かせないまま…。