片倉スズメ(上野樹里)は平凡な主婦である。夫は海外赴任中で、定期的に電話はくれるが、話すのはペットの亀の心配ばかりである。毎日は恐ろしく単調に過ぎていき、トイレに行けば自分の存在を無視するかのようにおばさんがオナラをし、夫さえ時々自分のことを忘れているようだ。久しぶりに待ち合わせをした幼なじみのクジャク(蒼井優)には、2時間も待たされてしまう始末(クジャクとスズメは同じ日に同じ場所で生まれたのだが、クジャクはスズメとは正反対にスケールの大きな女である)。…このまま年をとり、死んでいくのか? そう思うと恐ろしい。そんな平凡を嘆くスズメは、ふとしたことから駅の階段に貼られた広告を目にする。「スパイ募集!」。思わずその番号に電話をかけてしまうスズメだった。