レビュー
七彩

七彩

4 years ago

5.0


content

BPM ビート・パー・ミニット

映画 ・ 2017

2021年01月31日に見ました。

全体を通してずっとお洒落で小気味がいい。多分それは狙ってやっていて、作中で何かを訴えるとき・抗議するときには飛び切り派手に、洗練されたものを同時に組み込んでいる。それは自分たちの核の部分を知ってもらえるきっかけになるからだとわかっているからで、この映画もまたACT UP PARISのやり方を手本に、物語の伝えたいことをお洒落さと、音楽と、愛で包んで訴えている。 途中途中で挟まれるハウスミュージックがとにかく良くて、フランス語で熱く討論される言葉も相まって、ミュージカル映画かと見紛うほどに音が良い。しかし最後のエンドロールは無音だった。アクティビストたちと映画の制作者たちからのエイズで亡くなった方々へのレクイエムだと思う。 出てくるアクティビスト同士の討論は、どれが正解かわからない。けれど、ここではどのメンバーの意見が正しいのかを観ている私たちに選ばせるのが映画の核ではない。こうしたアクティビストたちが抗議し続け、権利を勝ち取ってくれたおかげで今の私たちが生きやすくなったことをただ伝えているだけなのだ。この恩恵は自然に発生したものでは無いと。繰り返し出てくる『無知は敵、知識は武器』とはまさにこのことで、誰もがアクティビストになれとはいわないけれど、ただ何も知らずに恩恵を享受して生きていくことは辞めようと思わせてくれた。