巴里の丑満時
ジャック・コストオは仏領ギアナのサン・ロオラン刑務所の無期徒刑囚であった。彼はそこを脱獄してパリへ舞い戻っている。それは彼の妻が死に臨んで一人娘マノンの安穏を願うのあまり彼に他所ながら保護してくれと頼んできたからであった。マノンは母に死に別れて広いパリに寄辺のない孤児となって、欧州大戦に名誉の戦死を遂げた(と彼女は信じている)父親がいてくれたならと思うこともあった。彼女はある夜帰宅すると自分の寝室にはアパッシュのジュロオが寝ているので驚いて門番のおかみさんに訴えると、部屋代を払わないからお前にはもう部屋は貸さないと言って追い出されてしまった。マノンは屋根の上へ忍び上ってジュロオが外出するのを待ち、彼女の父がもらった十字勲章を取りに入った。すると雨外套を取りにたち戻ったジュロオに発見された。彼はマノンが美貌なのを見て、自分は夜は外だから寝室を貸してやろうと申し出た。困り切っていたマノンは喜んだ。ジュロオの世話でマノンはパル・ミュセットのダンス切符売りとなった。彼女の恋人ポオル・ルノワアルはここの手風琴手だった。ジャックが娘の行方を捜してパル・ミュセットへ来たとき、ジュロオがマノンを売り飛ばす相談しているのを聞いた。翌晩恋人が外国へ売り飛ばされると知ったポオルはマノンとともにパリを立ち退くことに決めた。マノンが仕度をしていると、ポオルが大怪我をしてるという知らせがあったのでかけつけるとポオルはジュロオに苦しめられていた。マノンは恋人の命を救うために海外渡航を承知した。一方ジャックはその筋に捕らえられたが護送の途中脱走して娘を救いにジュロオの巣窟へ駆けつけてポオルを救い彼に娘を託した。警官が殺到してきて逃れられぬと知ったジャックは揮発油を爆破させてジュロオ一味を冥土の道連れにしたのである。