それから
それから
1985 · ドラマ · 日本
130分

明治後期の東京。長井代助は、三十歳になってもあえて定職を持たず、本を読んだり界隈を散歩したり、毎日を気ままに送る思索者である。しかし生活に困ることはない。父・得は大実業家で、兄・誠吾がその事業を継いでおり、次男の代助に多大な援助を与えていたからだ。おかげで、代助は別宅を構え、老婢と門野という書生を置いていた。父や兄は、そんな代助に、早く身を固めろと説き、しきりに縁談を持ち込んだが、その都度、何らかの理由をつけてはそれを拒んできた。そんな代助を、兄嫁の梅子や子供たちの縫と誠太郎が好ましい視線で見ていた。ある朝、代助に、親友・平岡常次郎からの便りが届いた。平岡は代助とは異なり、大学を出るとすぐに大手銀行に入社し、地方の支店に勤務していたが、部下が引き起こした問題の責任を負うことになり、辞職し東京へ戻るというのだ。平岡とは三年ぶりの再会になるが、それは、また彼の妻・三千代との再会をも意味していた。三千代は、かつて大学時代、代助が想いを寄せていた女性で、親友・菅沼の妹であった。