舞踏会の手帖
Un carnet de bal
1937 · ドラマ · フランス
144分

秋も終わろうとする11月のイタリア、コモ湖畔に立つ宏荘な古城は霧こめて憂愁であった。クリスチーヌは年かさの夫の野辺の送りを済ませたばかりである。非常に人の良い夫ではあったが、年齢が離れすぎていた為にクリスチーヌは夫に愛を感じないでしまった。美しい若妻をいとおしむ余りか、夫は彼女に何人との交際も許さなかった。36歳の今、クリスチーヌは過ぎた20年の結婚生活に青春の悦びを味わった事のなかった淋しさを今更の様に感じるのである。夫を失ったクリスチーヌは誰ひとりの身寄りもなく、訪ねるべき友もない。が彼女はまだ若い。もう一度人生を新しく出直そう。クリスチーヌは夫の形見をすべて召使達に与え、思い出の品を炉に投げた。