
ひろ

언더그라운드
평균 3.9
エミール・クストリッツァ監督・脚本によって製作された1995年のフランス・ドイツ・ハンガリー合作映画 ・ カンヌ国際映画祭パルム・ドール受賞作品 ・ 1941年、ナチスに侵攻されたセルビア。パルチザンのマルコは地下室に弟のイヴァンや仲間のクロらをかくまい、武器を製造させることにする。英雄となったマルコは地下生活を続ける仲間たちには第二次世界大戦が続いていると思い込ませる一方、新政府の重要人物としてのし上がっていくが…。 ・ この映画を観ないでどうするんだ。何千本と観てきた映画の中でも、ずば抜けた輝きを放つ作品。現役の映画監督の中で最高峰の才能の持ち主であるエミール・クストリッツァが、母国でボスニア紛争が起きているさなかに、ユーゴスラビアの50年に渡る紛争の歴史を描いた最高傑作。 ・ 紛争により実家と父親を失った監督が、自分の国の現状を世界に伝えるために作った作品。前作の「アリゾナ・ドリーム」と比べると、作風が劇的に変化している。戦争を心から憎んでいる監督だからこそ、映画から伝わってくる反戦の気持ちが半端ではない。 ・ しかし、エミール・クストリッツァ監督は、ただ戦争への憎しみを描いて暗い映画にするようなことはしない。むしろ陽気でコミカルに戦争を描く。主要人物の3角関係を軸に、戦争が終わったことを知らない地下の人々を、皮肉とブラックユーモアたっぷりに映し出す。後半の過激な表現は、それまでとのギャップがあって唖然となる。それでもラストのシーンに込められた監督の想いに心を打たれた。 ・ 映画の冒頭から何度も使われ続けるジプシー・ブラス系統のブラスバンド演奏によるユーゴスラビア民族音楽は、一度聴いたら忘れられないインパクトがある。世界最速のブラスと言われる音楽は、暗い時代の人々でさえ陽気な気分にさせる力がある。この音楽はぜひ聴いてほしい。 ・ 政治的メッセージが強すぎると、物議を醸した作品であるがゆえに、日本でも1996年に上映されて以来、DVDも入手困難になっているという。VHSで観た時の衝撃が忘れられなくて、渋谷の映画館で上映されるとあって観に行った。10年ぶりぐらいに観た「アンダーグラウンド」に圧倒された。やはりこの作品は歴史に残る傑作だ。この作品は絶対観るべき作品なので、どうにかして観てもらいたい。