『セーラー服と機関銃』に続く薬師丸ひろ子主演の第三作目.前作とは違い,赤川次郎自身が薬師丸主演を想定して原作を書いた故,薬師丸の役のはまり具合が非常に高かった.大学一年生の稚拙さや年上の男性に惹かれる姿がマッチしており,また,終盤のちゃぶ台のシーンでは幼さを残しつつも,一連の事件を通し大人の女性へと変わらうとする微妙な表情も表現されていた.加えて,今作の音楽を担当した加藤和彦氏も語っているが,終盤15分の演出が素晴らしかった.台詞はほぼなく,役者の演技のみで映像に説得力を持たせる,という手法はフランス映画のようであった. そして,何より薬師丸ひろ子主演映画として最大の魅力である薬師丸自身の可愛さが存分に発揮されていた.今作は”アイドル映画”として正解の作品に仕上がっている.