
たっちゃん-半変人のお調子者-

신 가면라이더
평균 3.1
庵野監督が仮面ライダーを撮る!という事で、今でもニチアサを観ている人間として、それなりに楽しみにしてたんだけど、観た感想としては残念と言わざるを得ない。 仮面ライダーの一番のお楽しみポイントは変身後のアクションな訳で、そこを結構楽しみにしてたんだけど、カット割過ぎて全くよく分からない場面になってしまっていたのが残念だった。 序盤の殴ったら顔が潰れて血飛沫が上がる残虐描写にはおぉと思ったけど、殴ったら宙返り、殴ったら宙返り、とショット間の繋がりがなく、まるで映像素材を切り貼りしたかのようなアクションシーンとなっていた。 かと思えば、中盤以降の1号vs2号やダブルライダーvsショッカーライダーはCG感満載のあまりにも現実感に欠ける映像で、ライダーをうわぁカッコいい!と思えるシーンが全く無かった。 (ラストバトルの泥臭さは良かったけど、別にカッコ良くは無い。) じゃあドラマパートは良いのかといえばそんな事も無い。主人公もヒロインも悪役も魅力に乏しく、中盤までは本当にきつかった。 主人公の本郷猛、初代の藤岡弘、氏の本郷猛を思い浮かべて観ていたのが良くなかったのかもしれないけど、戦う覚悟が希薄な上に、表情に乏しく、ショッカーへの怒りを口にする事もなく、顔をぷるぷる振るわけながら戦っているだけ、にしか見えない。一応決意が固まったとかは言うんだけど、その発言の前と後で何かが変化したようにも見えない。 緑川ルリ子もよくわからん。序盤で物凄くツンツンしてるのは良かったけど、途中から急に甘えだすのが何故?って感じだし、ところがぎっちょん!とか普通に言うし、人物設定が支離滅裂過ぎる。 敵怪人はヘルメット被ってたり、被ってなかったりで統一感が無いし、 クモオーグの喋り方が完全にメフィラスだったり、コウモリオーグのCGがあまりにもな出来だったり、KKオーグがせっかくの透明マントを脱いで戦ったり、残念な所が多い。 ハチオーグはまだマシではあったけど、特別魅力があるわけでもなかった。 一番酷いのはサソリオーグの扱い。長澤まさみをキャスティングしておきながら、超典型的なサイコキャラ程度の色付けしかせず、政府主導の特殊部隊が始末… 本当に酷い。普通の人が始末できるなら仮面ライダーがいる意味無いじゃん… そしてラスボスの蝶オーグ。デザインとか目的とかはまぁいいけど、ショッカーはどこに行った!!と思ってしまう。『仮面ライダー』ってショッカーに改造人間にされた本郷猛が、人類を守る為にショッカーと戦う話でしょ?いつから家族を失った喪失の話になったのよ。なんかすっごい話が狭くなってる感じがして嫌だった。 そんな辛気臭い話の中、一服の清涼剤として現れる一文字隼人。自分の心が晴れるかどうかで常に行動する快男児っぷりが良い。「群れるのは好きじゃないが、好きになる事にした!」とか本郷猛に自身を呼び捨てさせる下りとか、この陰鬱とした話の中にふわっと光が差し込んだような明るさと清々しさでグイグイ来る一文字。この映画観て彼を好きにならない人いないでしょと思うくらいに良かった。 ラスト、新1号のスーツとマスクを身につけ、マスクに残る本郷の意志と共にバイクで走っていく一文字。このラスト数分だけは異常に良かった。 ただ、全体的に総括すると、アクションも人間ドラマも中途半端で一体何を楽しめばいい分からない非常に微妙な作品だった。 特にアクションが残念だったのは本当にいただけない。決して忖度ではないけど、これだったらニチアサのアクションシーンの方がシン仮面ライダーの遥か上を行ってる。挑戦的な事にも挑んでるし。 NHKでやってたドキュメンタリーで庵野監督は仮面ライダーの戦いに殺陣感を出したくないという事で、アクション班が考えてきたバトルシーンを現場で撮ってから全カットしてたけど、だからといってアクションシーンをより現実感の無いCGに置き換えたのは明らかに悪手。 ワイヤーアクションとか殺陣とかより一番現実感の無いアクションになってしまっている。 ニチアサのCGだって、予算と時間が限られてる分、完全ではない。 だけど、ニチアサの方はライダーの動き自体を出来る限りアクション班が担当して、その上にCGを足すという使い方をしてるから、毎週毎週めちゃくちゃ見応えのある映像に仕上がってるんだと思う。 一方、シン・仮面ライダーの方はそもそもちゃんとした構想も無いのにアクションを考えさせて、できたら全部ダメって言い、結局アクション班の考えた生身のアクションシーンはほぼカットで、バトルはフルCGばかり… 庵野監督は「観客はマーベル並の映像を求めてる」と言ってたけど、日本の映画予算とCGレベルじゃ無理だから、生身の、攻撃の重さが分かるアクションに全振りした方が良かったんじゃないかと思う。序盤の顔グチャは良かったんだけどなぁ… 新しい物を入れたいと言いながら、結局上手くいかずノスタルジーだけが残ってしまったシン・仮面ライダーよりも今のニチアサの方が新しい価値観を多く盛り込んだ『シン・仮面ライダー』だと思う。 ただ続編がもし出来たら確実に一文字主役だから絶対行く笑 映画評価基準 この映画が好きか 3 没入感 3 脚本 3 演出 2 映像 2 キャスト 9 音楽 6 余韻 7 おすすめ度 3 何度も観たくなるか 3 計41点