映画としての出来が良いとは言い難いが、原作再現のファンムービーとしてはほとんど文句無しの出来。 原作をしっかりなぞって進む展開や、往年のアニメの決めポーズやテーマソングなど、ファンが喜ぶポイントをしっかり抑えているとても好感が持てる作り。作画も若干全身のバランスが気になるものの、基本的に結構きれい。各キャラクターそれぞれの見せ場もあり、セーラームーン要素を一通り堪能できる。 ただ、思い出補正抜きに映画として見ると残念ながらあまり良いとは言えない仕上がり。4人のキャラのほとんど似たようなエピソードを順番にゆっくり描いていくスタイルは、連載漫画やTVアニメならまだしも映画としてはさすがに冗長過ぎる。それぞれの苦悩を乗り越えていく様も非常に安易で、よく考えると何の解決もしていないような気さえする。敵キャラも数が多い割に個性を活かしきれておらず、ただの使い捨てのコマでしかない。キャラクターの必殺技シーンはテンションが上がるが、さすがに全く同じ必殺技シーンを一つの映画で3回使い回しで見せられるとは思わなかった。 しかしこれらのマイナス要素を踏まえても実際結構楽しめたので、やっぱりセーラームーンは偉大。