
たっちゃん-半変人のお調子者-

리얼 페인
평균 3.7
2025년 03월 11일에 봄
冒頭、ショパンの有名曲ノクターン9-2が流れる中、空港で所在無さげに座るベンジーが映る。 しかし、待ち合わせていたデヴィッドが現れるとさっきまでの様子が嘘のように明るくお喋りな振る舞いを見せる。 この時点でベンジーがデヴィッドの前では何かを取り繕おうとしているように見えてくる。 彼ら2人は今は亡き祖母の故郷であるポーランドを訪れ、ホロコーストにまつわる様々な場所を訪れるツアーに参加する。その中でベンジーはユダヤ人である事から来る当事者意識なのか、ドイツ軍と勇敢に戦った人々を讃える銅像があれば、共に戦うようなポーズで写真を撮ったり、事実や数字を並べて出来事を解説するガイドに対して、観光名所を回って事実や数字を並べ立てるだけではなく、地元の人と話したりして、もっとリアルな人の想いに触れるべきだと語る。 これはベンジーは自分自身についても同じ事を考えているのではないかと思った。 ガイドがホロコーストについて、事実や数字に基づいて解説していたように、ベンジーの不安定な精神状態についても、医者や周りの人は事実や数字に基づいて対応するだけで、誰も自分の本当の痛みを理解しようとしてくれない。その怒りと不安があのガイドに向けての言葉として出てしまったのではないだろうか。もっと自分を見てくれ。もっと痛みに向き合ってくれ。そういう叫びに思えた。 しかし、そう単純に自分の事を人に言えない不器用な所もあって、だから余計に危なっかしい。 デヴィッドは過去にベンジーが睡眠薬を大量に摂取した事から、彼の事を案じている言動が見られる。 でも、ベンジーは彼の前では決定的に弱い所を見せようとはしない(ある一点を除いて)。彼の前では人を時々不愉快にはすれど基本明るく振る舞い、他のツアー客とも交流し、デヴィッドと共にマリファナを決め、楽しく過ごしているように見える。 でも、観ているこっちは冒頭のベンジーの様子を知ってるから、この様子がそう振る舞おうとしているように見えてくる。 対して、デヴィッドは一歩引いた目線で物事を見る。ベンジーが銅像と共に戦うポーズで写真を撮り、他のツアー客も全員同じように撮っていても、彼は撮影に徹し自分は同じように写真は撮らないし、ベンジーが色々言い出して空気が悪くなるのを止めようとする。 そんな彼はその一歩引くというスタンスがベンジーの過去の悲劇を招いてしまったのではないかと思い、旅行中デヴィッドに寄り添おうとし、最後には家に誘おうとする。しかしベンジーはその誘いを断って、空港に1人残る事を選ぶ。そしてまた所在なさげに空港の椅子に座る。 この、オープニングと円環構造のようになっている終わり方が非常に上手い。でも最初と違うのはベンジーの顔に日が当たっている事。最後の最後、ベンジーがその方向を観て映画が終わる。この旅行を経て、彼の心の痛みが少しは和らいだのだろうか…そんな事を考えるラストだった。 動画内で本作について語っております。 是非聴いてください。 ↓↓↓ https://www.youtube.com/live/ecnzEVuGcAA?si=HgsljgjUv0af4_qw 映画評価基準 この映画が好きか 9 没入感 9 脚本 10 演出 10 映像 10 キャスト 10 音楽 10 余韻 10 おすすめ度 9 記憶に残る映画だったか 9 計96点