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【遺作にして欲しくない映画】 何度も銃を突きつけられる終始緊迫の展開ながら、何歳になっても“やり直す”事の尊さを説く実は前向きなドラマ。御歳89歳のクリント・イーストウッド、遺作になんてまだまだなって欲しくない! ◆概要 80歳代でメキシコの麻薬組織の運び屋となった第二次世界大戦退役軍人の実話に着想を得たドラマ。脚本は「グラン・トリノ」のニック・シェンク。監督・主演はクリント・イーストウッド。イーストウッドは「人生の特等席」以来6年ぶり、自身の監督作では「グラン・トリノ」以来10年ぶりの俳優出演。共演に「アリー スター誕生」のブラッドリー・クーパー、「アントマン&ワスプ」のローレンス・フィッシュバーン、「オーシャンズ」シリーズのアンディ・ガルシアの他、イーストウッドの実娘アリソン・イーストウッドも。 ◆ストーリー 商売に失敗し自宅も差し押さえられ、途方に暮れていた孤独な老人は、車の運転さえすればいいという仕事を持ちかけられ、引き受ける。実はその仕事は、メキシコの麻薬カルテルの「運び屋」だった。 ◆感想 “やり直す”事の尊さ、大切さや重さが伝わってくる映画。家族を捨てて仕事を選んだ男が如何に家族とやり直せるか、そして、不意に始まった運び屋としての闇から如何に脱出するのか。事実に着想を得たこの物語は、1人の男の生き様を通して、老いたタイミングであれなんであれ、そんな前向きに生きる事の大切さを説いているように感じた。 ◆以下ネタバレ◆ 組織を裏切った者の死体を目の当たりにし、裏切る事イコール死である事を認識しながら、組織からの電話を無視し続け元妻を看取る決心をするアール。それ以上ない代償ながら結果元妻の愛情に加えて、家族達からの信頼も回復する。そんな“やり直し”の成功に加えて、麻薬組織の運び屋としての闇からも命からがら抜け出すアール。“俺は組織を裏切った。さあ撃つがいい”的なセリフも出る最大のピンチのシーンも、その覚悟があるからこそ結果的にはその場を解放され、捜査官に拘束され九死に一生を得る。覚悟は、法廷で全ての罪を認めるシーンにも重々しく描写されてあり、またこれも1つの覚悟が“やり直し”を成功へと導くこの映画の一本木な表現だったように思う。 これが、クリント・イーストウッドの最終作となるのか?御歳89歳の彼が映画の告知で使っていた「これが最後だ」のセリフ(映画本体では出てこなかったように感じたが…)に、勝手に遺作感を感じてしまう。最近ではそれこそブラッドリー・クーパー主演の「アメリカン・スナイパー」や「ハドソン川の奇跡」、「15時17分、パリ行き」で映画のあり方の幅をグッと広げてくれた彼に、映画ファンとしてはまだまだその活躍を見せ続けて欲しいところ。 運び屋としての任務中、警官や捜査官と何度もニアミスする緊迫感、そして組織から何度も銃口を突きつけられる緊迫感。いつ何が起こってもおかしくない緊張感が映画を通して続く、見飽きない展開なのも素晴らしい。
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