痛快無比な西部劇だと思う。最初から最後まで面白かった。 もちろん背景は「アメリカの西部」ではないが、列車強盗、早撃ち、二丁拳銃、ナイフ、建物に隠れての撃ち合い、砂漠、騎馬戦・・・と、100%西部劇以外の何物でもない。これで、「酒場のイイ女」が出てくれば言うこと無しなのだが、それは無いものねだりだ。 また、善いのと悪い野郎、変なヤツ・・というキャラ分けも解かりやすく、ラストで決闘・・というお決まりも良い。さらに、3人各々にスターを配したのもゴージャスだし、それぞれが自身にピッタリの役をもらって生き生きしているのも嬉しい。 それに、いかにもマカロニ・ウェスタン・・・風の音楽も、馬を何頭使ったのか解からない重厚な疾走アクションも素晴らしい。 そういえば、和製ウエスタンと銘打った「スキヤキ・ウエスタン・ジャンゴ」なる映画を観たことは観たが、この映画に比較すると、アクションのキレ、脚本の完成度、俳優のオーラ・・いずれをとっても弱々で、変に貧乏臭かったなぁ・・・と思い出してしまう。 この年、韓国映画界は、3人のスターをフューチャーし、映画の王道でもある「西部劇」を軽々と作れる実力を持っていたのだ。少なくとも、この年代に関しては、邦画は韓国映画にかなり遅れを取っていたと感じる。