すごいアクション。評判通りのすんごいアクションだった。 俳優のアクションがすごい。スタントマンがどこまで吹き替えをやっているのかはわからないけど、ワンカットで強引に撮ってるように見えるし、本人がほとんど演じていたんじゃないかと。主演のキム・オクビンは元々テコンドーとハプキドーの黒帯保持者らしく、さらに、名門のアクションスクールで五ヶ月間も血の滲むようなトレーニングを重ねたそうだ。その甲斐あって、彼女のアクションは女優とは到底思えない域に達している。ミラ・ジョヴォヴィッチやシャーリーズ・セロン、スカーレット・ヨハンソンよりよっぽどキレのあるアクションをしている。アクション女優では歴代１位ではないかと思う。 あと、撮影方法がわからない。それくらいとんでもないスタントだった。メイキングを見て、なんとなく納得できるカットもあるが、想像もできないようなカットが山ほどあった。冒頭のシーンなんかは、まるで、アメリカのシミュレーションゲームのようだし、バイクチェイスのシーンはカメラが動くこと動くこと。アクションになるとカメラが主観になり、常にぐわんぐわん動くので劇場で観たら酔いそうだけど、没入間は3D以上ではないか。アクション界の革命とは言い過ぎか。 今までの韓国映画といえば、観てるこっちが痛くなってくるくらいの生々しいアクションだった。アクションというか、殴りあいだった。しかし、この作品はハリウッドのような派手なアクションだ。派手なカーチェイスや日本刀を振り回したり。でも、なぜか、ハリウッドのようなスーパーヒーローのアクションではなく、どこか生々しさもある独特なアクションだった。 これは自論だが、アクション映画といえば、カットを割りまくり、多くの画でスピード感を出したりする。でも、この作品は手持ちなのか、なんなのかで、ワンカットで撮ろうとしてる。カットを割らないことで、生々しさが出てるのかな。韓国映画の新境地だ。 内容はそこまで面白いわけじゃない。ただただ悲しい。バッドエンドだし。でも、『ニキータ』のオマージュであろうシーンもあるし、終わり方は違うが、なんとなくそれを連想させた。やっぱりアサシンは幸せにはなれないよね。『グロリア』くらいかなぁ。