2020.8.14.141 2021.11.27.095 2022.7.16.078.aik ネタバレあり 敏腕脚本家ギルは婚約旅行で憧れのパリへ。ギルは婚約者イネズにぞっこんだが、旅行先にイネズが学生時代に夢中だったポールが現れる。ポールは知識人ぶっていてイケ好かないが、イネズはそんなポールに魅力を感じているのがひしひしと伝わってくる。夜もギルを置いてポールと飲みに行く始末。ギルは仕方なく夜のパリを独り歩いていると、ある集団にパーティーに誘われた。行ってみるとそこには、ギルが憧れて止まない1920年代の芸術家たちが。ヘミングウェイ、ピカソ、ゼルダ&スコット、コール・ポーターなど、いまもなお名を馳せている伝説の芸術家たちを前にしてギルは興奮しまくる。ギルはその後、深夜０時を過ぎに特定の場所にいるとタイムスリップすることを知り、毎夜タイムスリップを繰り返し、偉大な芸術家たちと交友をもっていく。そんな中、あらゆる芸術家を虜にするアドリアナという女性に恋心を抱き始める。アドリアナは「私にとって過去は、偉大なカリスマなの。ベル・エポックのパリが好き。華やかな情緒があったもの。街灯も売店も」と、ジルにとっての黄金時代に生きながら、ベル・エポック期こそ黄金時代という。やがてアドリアナと共にベル・エポック期にタイムスリップするが、その時代の偉人たちは「ルネサンス期こそ黄金時代だ」という。どの時代の人間も古い時代に憧れを持っていて“あの頃こそ黄金時代だ”と言ってることがおもしろい。 この作品の芸術に対するリスペクト、パリに対する恋い焦がれ方がたまらない。パリは芸術の都、恋の都。そして雨のパリは美しい。 正直、芸術に疎いのであまり世界観に入り込めなかった。もうちょっと芸術を勉強して観直せば、何倍も楽しめそうだ。 ヘミングウェイがカッコよかった。 「何を書いてもいい。真実を語り、簡潔で、窮地における勇気と気品を肯定する限りな」「君の小説は不快だ。下手な文章は不快。上手でも嫉妬で不快。作家の意見など聞くな」「男らしくないぞ。堂々と胸を張れ。我こそ一番だと！」