いまは年を経た少女がジャンヌ・モローの面影としてよぎる演出は至極うまいと思いました。ナレーションも仏語ではなく英語だったこともあってエンドクレジットまで気づかなかった。声だけというところがミソと思います。 この手の映画は、観るときは愛し合うシーンがけっこう強烈なぶん、そういう官能のシーンは人間の さが として理性で観察していないものなので (笑)、時間が経つと記憶からまるごと抜け落ちます。だから、結局のところもしそれがすべてなら (あるいはそこしか注目できなければ) ただのポルノ＝見捨て映画になりますが、先に述べた部分も含めて細やかな部分が丁寧に丁寧につくられていることが大事になってくるのです。