あの手紙、読んでくれました？ 送った言葉がちゃんと伝わったか。 そして相手はどういう反応を示すのか。 既読が当たり前になった現代にこそ、このストーリーは輝いて見える。 過去の話を照れ笑いしながら語る福山雅治は、ぴったり神木隆之介と重なった。 あの、男性的なロマンチシズム、男性的な女々しさを持つ乙坂鏡史郎という人物はまさに二人でひとつだった。 森七菜という今にも零れ落ちてしまいそうな瑞々しさも、作品に花を添える。 あの手紙のやりとりだけでご飯3杯はいける。 岩井俊二の作品を見た後は、なぜか心の純度が上がる。 今作も十二分にさっぱりすることができた。