
カルロ・ダイソン

메갈로폴리스
평균 2.6
2025년 06월 25일에 봄
コッポラ監督の最低映画、観てきました。 前評判どおりほどではないですが、極めてフツーな失敗作で、全体的にダメダメ、堂々のラジー賞受賞も納得です。 それでも作品としては破綻せずにまとまってはいるので、本当に最低が観たいという愛好家にはお勧めしません。 粗だらけの未完成品を強引に作品に仕立てた感は、デイヴィッド・リンチ版の「DUNE」に通ずるものがあるでしょう。 「DUNE」と同じく、濁流の中にキラリと光る金やドス黒い玉が沈んでるような、局所的には優れた部分、サイテーな部分もあるにはあって、そういうところで、どこか憎めない作品になってはいるんです。 こんなのわざわざ観に行ったのは、やっぱりあのコッポラ監督が集大成として取り組んだ作品で、しかもIMAXで撮るっていうんで、映画好きとしては観ときたいなと思ったから。ちょうど時間もあったし。 まあ、コッポラなんでシナリオはどうでも良いとして、映像だけでもちょっとは期待していたところはあったんですが…。 映像も演出も脚本も三拍子そろってポンコツでしたね。 とりあえず、お金も人手も時間も足りなかったんだろうなというのをひしひと感じます。 SFなんですけど、かなりの割合セットで撮った舞台劇です。 そして、コテコテの時代劇風メロドラマが延々と続きます。 IMAXの大画面にドーンと映るのは、俳優のドアップ、基本ずっとこれです。 こんなもったいないIMAXカメラの使い方するのは、後にも先にもコッポラ監督くらいでしょう。 終盤にかけてようやくCGワールドに入っていくのですが、その出来がまたとても悪くてどうしようもない…。 舞台は近未来、アメリカ共和国はニューローマ市。 なんですが、オープニングから風景は現代のビル群そのまんま。 ただし服装や名前、文化だけはローマ時代に先祖返りしています。 これは「何千年経とうが人類の生活、頽廃っぷりは変わらない」というフェリーニとか銀英伝的なテーマなのはわかりますけど、それがたいそうシュールかつチープで笑ってしまいます。 頽廃を表現するのに、ナンセンスでおゲレツな描写がたくさん出てきて、それはサイテーでまあまあ楽しめました。 ただ、後半にかけてもそのノリがずっと続くせいで、メリハリに欠けて、全体的に締まらない感じにもなっちゃってます。 「地獄の黙示録」を彷彿とさせる、赤みがかった画面はなかなかよいですが、今時ゴダールチックな引用であったり、ヌーヴェルヴァーグ()風な視覚表現を多様する古臭い演出は、正直おもしろみがなかったです。 こういう手垢しか残ってないような小細工で脚本を埋めざるをえないのも、苦肉の策なんでしょうかね。 監督自身、残された時間を考えると、満足な制作体制が整わない中であっても、なんとしてでも形にしたかったのでしょう。 ストーリーの大筋は極めてシンプルでベタな救世主神話です。 ただ、描きたいテーマを盛り込みすぎて、かなりとっ散らかっちゃってますね。 長いこと構想を温めてるうちに、その時々の時事問題や鑑賞した古典作品に影響を受け、あれも描きたいこれも描きたいになってったんだろうなあと想像します。 時間停止能力やメガロンの投げっぱなしっぷりとかもすごいですよね。 神秘性を出すためにあえて多くを語らなかったのか、CG技術が足りなかったのか、単純に興味がなくなったのかわかりませんが、そこはもうどうでもいいです、だってコッポラだもん。 そんななので、大コケしたという一点のみでしかネタにならない失敗作になっちゃいましたけど、昨今のアメリカ、国際情勢に対するストレートなメッセージは良かったです。 これもかなりベタではあるんですが、私も単純な人間なんで、そこはグッときましたね。 また、奥さんのエレノアさんを亡くしたことへの監督自身の深い悲しみ、喪失感もダイレクトに描かれていて、胸を打たれましたし、それを乗り越えてまだまだ未来へ向かって生きたいという意志も伝わってきました。 本当にダメダメなんですけど、人間的な温かみには溢れた作品だと思います。 やりたいことは分かるし、意欲も伝わってはくるんですよね。 まあそこに関しても、キャラクターがしっかり描けてないせいで、テーマの説得力を欠いた感じにはなっちゃってますけども…。 俳優陣もフレッシュさがまるでないですが、メンツがメンツなので安定感はありました。 シャイア・ラブーフはキレてましたし、ジョン・ヴォイトやダスティン・ホフマンもまだまだ元気で良かったです。 あと、ナタリー・エマニュエルを知れたのも良かったです。 本作の評価が彼女のキャリアに悪影響を与えないことを祈るばかりです。 しかし、改めて1億2000万ドルもいったい何に使ったのかさっぱりですね。。 鑑賞中ずっと、節税対策か?とか、◯税か?とか、いろいろ邪推しちゃってました。 でもやっぱり映画制作ってほんとお金がかかるんでしょうね。 特に大作にもなると、大手スタジオのシステム、リスクマネジメントがどれだけ重要かっていうのが分かった気がします。 (追記:どうやら製作途中でクオリティに納得できず、視覚効果チームをとっかえたりとかしてたそうです。いい年してなに「ザ・ルーム」みたいなことやってんだ…) 最後に、本作を一言でいうなら「発達障害の脳内を具現化した映画」です。 あれやりたい、これやりたいで、わちゃわちゃになって、やらなくていいけどやろ、あっやらなきゃいけないこと忘れてた、ってそういうのすごくわかるんです…。 ただ、わちゃわちゃはしてるけど破綻はしてないんですよ。 発達障害の思考について、よく「散らかった部屋」とか「開けっぱなしのタンス」とか言われてますけど、説明するのがなかなか難しいんです。 でも、本作のおかげで「メガロポリスを観て!」で済ませられるんじゃねって勝手に思って楽になりました。 コッポラ監督に感謝です。 そういう超個人的な意義を見いだせたので、ちょっと高めの評価にしました。