
星ゆたか

벌집의 정령
평균 3.7
2024.2.21 スペイン出身で寡作な映画作家と言われるビクトル・エリセ監督(1940年6月30日生まれ)。 31年ぶりに新作「瞳をとじて」が公開され。 合わせて代表作の「ミツバチのささやき」と「エル・スール」も御披露目に。 最近親しくなった映画愛好者(地元で毎月映画鑑賞会を何年も続けてる)の方からグループラインで「エル・スール」がとても好きという話があがり。 それで随分前にディスクにダビングした、その2作を鑑賞する事に。 30数年前は「エル・スール」の方が好きだったのだが。 今回はこの「ミツバチのささやき」に。 遅らばせながら“えらく感心”してしまいました。 エルセ監督33歳の時の作品。 映画は73年制作だが、当時はスペイン映画は商売にならない風評で公開されず。 まず「エル・スール」(82年)の好評から陽の目をみた。 またあの愛くるしく透明な瞳は変わらず、新作「瞳をとじて」で50年ぶりの姿を見せてくれているらしい。 アナ・トレントさん6歳の姿はもう絶品です。 監督は彼女を見つけ出した時 『映画は成功したと思った』と語っている。 85年のベストテンで4位が「ミツバチのささやき」。 「エル・スール」が14位でした。 「アマデウス」「路(みち)」「ファニーとアレクサンドル」「刑事ジョン・ブック目撃者」「パリ、テキサス」「田舎の日曜日」「インドへの道」と好きな映画がズラリと並ぶ年です。 その他「バック・トゥ・ザ・フューチャー」「プレイス・イン・ザ・ハート」も……。 さてその「ミツバチ…」ですが。 物語は父親がミツバチの採集研究に余念のない中。 母親は毎週“誰かに手紙を書き駅まで自転車で届けに出かけている。列車に郵便📪受けポストがついている。珍しいがいきな試み。 近くの小学校に通う幼い姉妹。 その子供らの通学光景を学校に入り出る〈フェードイン〉〈フェードアウト〉カメラ手法が何とも懐かしい時の流れを感じさせる。 アルバムの1枚1枚の写真が現れ消えていく感じだ。 とにかくまず村に月に数回映画の有料映写会が、トラックで公民館にやってくる開巻から。 そこで小さな子供が歓声を上げながら迎える『嬉しい』出だしだ。 上映されるのは「フランケンシュタイン」。 31年制作ジェームズ・ホエール監督、ボリス・カーロフ主演のもの。 単なるホラー映画や怪物映画でなく。 幻覚美術の感性作品を選んだのも、「ミツバチ…」の主旨に応じたものらしい。 そこでの子供たちの反応、 チョッピリ怖いけど、目を輝かせながら。 その興奮が伝わる。 上映中に姉イザベルに妹アナ、こっそり 『ねぇ、なんであの少女死んだの?フランケンシュタインって悪者?』耳打ち…。〈ささやき〉 『あとで…』 帰ってベッドで寝おち寸前の姉に再び…。〈ささやき〉 『あのね、フランケンシュタインは見えないけど精霊として近くにいるのよ』と。 その後学校帰りの村の外れにある空き納屋とそばの井戸の辺りに“いそうだ”と二人で探索。 アナの興味関心欲は続き、姉が寄らなくても更に一人で通い続ける。 『(フランケインシュタインさん)…』と時々声を掛けながら。 この映画の優れた点は。 幼い姉妹の共の行動を追いながら。 それぞれの姉妹の心の葛藤を重ね、〔成長〕〔自我の目覚め〕を見せた事で。 観客の意識の中にもその記憶を蘇みがえらせた所だ。 汽車の線路に近づく列車音に耳あてする子供の頃やった行為。 ベットの上でハシャギながらの枕投げ。 焚き火の炎の上の飛び合う遊びなどは、女の子のスカートに火がつきそうで、危なっかしいけど面白い!。 そんな中、とりわけ秀逸なエピソードは。 姉イザベルの手の混んだ〈何者かに襲われて死んだ〉 自作自演のお芝居だ。 室内の植え木鉢をひっくり返し。開き戸を何者かが開け出て行った様子を再現。 妹の呼びかけにも姉は応ぜず。揺さぶっても動かない。 下働きの女性を助けに呼びに行ってめ見つからず。 また部屋に戻って見れば。 倒れていた姉の姿も見えず。 開き戸を開け外を見れば…。 そっと後ろから伸びる皮🧤手袋…(キャ~~…!!) 姉の頬くさむ顔…。 それまでずっと姉、妹の絶大の信頼のもと従順の歩みが。 これで少し弛み、姉妹の形が変わった。 妹のプライドが、姉の“やり過ぎたふざけ”で揺さぶられ。 いつも姉妹ベッタリの関係から、少し間を空けて接する〔自立への一歩〕に。 この経験が後に。 足を負傷しあの空き納屋に逃げ込んだ政治活動家の青年と。 偶然出くわし、一人で家族にも知らせず。食べ物を与えたり。 “世話する”6歳の少女アナの “大人ぶり”へと導いていく。 結局この時アナが家から持ち込んだ父親のコートと、オルゴール付きの懐中時計(オシャレ)が。 射殺(遠景カメラから火花の映像と、ピストルの連発射撃音)現場から見つかり。 父親が警察の事情徴集を受ける事に。 そしてアナに様子を聞こうと呼び寄せ近づく父親。 後退り、そのまま家に帰らず近郊をさまようアナ。 近所の人らと捜索。 飼い犬が臭いを嗅ぎ付け見つかる。 空き建物のそばで、疲れ寝ていたアナは保護される。 その後落ち着き、なおも 『フランケンシュタインさん…』と呟くアナの姿。 この映画は1940年のスペインの片田舎の物語。 それはスペイン内線終息後、長いフランシスコ・フランコ独裁政権(38~75)の始まりの頃で。それを終了間際の73年に制作された映画であった事も頭に入れながら観る必要がある。 その上で少女の思春期の成長物語を、 おとぎ話のような神秘的感性で見せた珠玉な名作である意義が深まる。