ゾラとの関係を中心に、セザンヌの一生を描いている映画です。二人の少年時代から続く友情や、ゾラの小説『制作』が原因での絶交（この小説が絶交の原因ではないという説もあります。『制作』の主人公の画家クロードはセザンヌやマネを合成したようなキャラクターですし）など、描くべき内容が多いために、やや表面的に出来事をなぞっている感じがするのは残念。もう少しどこかの時代にフォーカスを当てて、じっくりと心情を描いたほうが良かったように思えます。 でも、南仏の風景は美しいし、この時代の他の画家たち（マネ、ピサロ、モリゾなど）も顔を出すので、この時代の絵画が好きな人は楽しめると思います。