
ジュネ

와일드 구스 레이크
평균 3.3
2020年148本目は、ノワールの名手ディアオ・イーナン監督が『薄氷の殺人』に続いて繰り出す渾身の一作、『鵞鳥湖の夜』。 ------------------------------------------------------------ これはめちゃくちゃ好き嫌いの分かれる映画だと思うんですが、こんなにも斬新な表現の連続でマニアックで癖の強い作品は久々。2時間目一杯見どころしかない状態で、アドレナリン全開のまんまラストまで駆け抜けていきます。『薄氷の殺人』でも突如として踊り出したり花火があがったり意味の分からないシーンはたくさんあったんですけれど、今回は更に輪をかけてブッ飛んだ演出の連続です。 ------------------------------------------------------------ 奇天烈な演出に加え主人公の心情もまるで理解が及ばなかった前作に対し、今回は話の骨格が「逃亡劇」と単純なため、細部に目配せする余裕が生まれ、心ゆくまで世界観に浸れるようになっています。傘に飛び散る鮮血・ネオンがギラつく繁華街での銃撃戦など大胆な見せ場を用意したかと思えば、海水浴場の行商売りや地方の寂れた裏路地を映し出しリアルな生活を感じさせます。このあたりのバランス感覚が本当に見事で、物語に吸い込まれていくようです。 ------------------------------------------------------------ 主人公のチョウはどうしようもない「ろくでなし」で共感すら覚えませんし、ハッピーエンドなどないことは最初から分かりきっています。ヒロインのアイアイも金目当てで動いているに過ぎずあらゆる登場人物が欲に忠実だけなんですが、それでも彼らに魅了されてしまう、本当に「摩訶不思議」な1作でした。