코멘트
Till

Till

3 years ago

3.5


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영화 ・ 2021

평균 2.8

『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』などで特殊効果を担当したヴァルディミール・ヨハンソンの長編デビュー作となったホラー映画。 結論から言うと、今年一番変な映画だった。ただでさえ個性的な作品がノミネートされがちのカンヌ国際映画祭の「ある視点」部門だが、そこでさらにオリジナリティ賞を受賞したというのだからそのクセの強さは折り紙付き。とある羊飼いの夫婦が羊から生まれた羊ではない“何か”を育て始める…と物語自体も非常に寓話性が強いし、セリフではなく映像で語るタイプの映画なのでかなり好き嫌いが分かれる作品だろう。 娘を失ったという過去を抱える夫婦が娘代わりにその“何か”を家族として迎え入れる姿は狂気的でもあるが、同時にどこか哀しくもあり、そして滑稽でもある。夫婦と“何か”が仲良く食卓を囲む異様な家族光景はもはやシュールコメディのような趣にもなっており、この映画内で第三者の視点を代弁するイングヴァルの弟・ペートゥルのこれに対する反応も可笑しい。でもこの“何か”も最初は気味が悪いが見慣れてくるとだんだんかわいく見えてくる。 そういった不気味かつ奇妙なジャンル不明の雰囲気で引っ張りながらも、終盤のとある衝撃的な展開でちゃんとホラーへと収束するあたりも見事。好き嫌いはあれど、一度観たら忘れられない強烈なインパクトを残す作品です。