ハーヴェイ・カイテルを初めて観たのは「ユリシーズの瞳」だったか「テルマ&ルイーズ」だったか思い出せないけど、どちらも滋味深い役どころだった。これを最初に観てたら印象は変わったかな？でもこの作品でも、滲み出るその人間味があるからこそ最後のシーンが生きてくるのだ。 一期一会の強盗集団がお互いをホワイトだのオレンジ、ピンクと色で呼び合う。最初はその群像劇に戸惑ったけれど、それは脚本の妙で混乱することもなかった。強盗そのものの様子は一切描かれないのに、どんな風に惨めに失敗したのか、そのあとの彼らの会話から手に取るようにわかるのだ。 最後、三つ巴の決闘のようになり、え？彼は誰に撃たれたの？は何度も何度も繰り返し巻き戻して観たけどわからないのでウェブで検索してやっと判明（なるほど！笑）。 そして最後の最後に、彼は撃たれたのだろうか、も論議の的になっているようだけれど、…私はやはり撃たれたのだろうと思います… ともあれ、目を覆うようなバイオレンスがなければ5点付けたい、傑作。