特筆すべきは25話だ。主人公の妹・花野は、下校中に自分への視線を感じる。多用される実写映像。カメラを覗き込んだように、周りには黒い縁が描かれる。花野は家の中へ入る。誰もいない。しかし視線は依然感じている。部屋の中を花野が見回していく。ここまで示唆的なカットが多くなると、流石に気づくだろう──そう、この視線は鑑賞者である我々自身であり、前述したカットは、ことごとくカメラの存在を暗示させているのだ。「見える子ちゃん」がいつのまにかエロ描写を待ち望んでいる醜悪な鑑賞者たる我々を顕在化させたのと同じく、メタ的な鑑賞者の存在を自己認識させる。思えばエヴァもそうであった。「現実は夢の終わり」、一貫したガイナックスのテーマ性が、ここでは日常系アニメにまで持ち込まれ、我々の存在を脅かすのである