直近で劇場公開された新作をレビュー、今回取り上げるのは『ノンストップ』。オム・ジョンファ主演の気軽に楽しめるコメディアクションです。 ------------------------------------------------------------ 閉じられた空間である飛行機の中を舞台に、実は元名うての暗殺者だった主人公が痛快に悪をぶちのめす、それこそタイトル通りノンストップに進んでいく一作でした。正直なところ「ナーメテータ－」ものとして擦り倒された設定であるため新鮮さは感じませんし、韓国映画としてはやや爆発力に欠けます。何故かって本作の場合、とにかく前置きが長い！ ------------------------------------------------------------ 主人公夫妻の正体が明かされテロリストと対峙するまで、ひたすら飛行機の中での「キャラクター紹介」が１時間も続きます。搭乗するキャビンアテンダントや個性的な乗客のやり取りをあの手この手でコミカルに演出し、最終的にどの人物にも見せ場を作るのは流石なんですけれど、私はやや冗長に感じました。パッケージがそっくりな『エクストリーム・ジョブ』のときはめちゃくちゃ笑えたのに、今回はコメディ部分もノレなかったのが痛いです。 ------------------------------------------------------------ 終盤に展開をコロコロとひっくり返し最後まで興味を持続させようと工夫してますし、何があっても固い絆で結ばれた「家族愛」を強調して泣きどころを作るシーンもあったりして、決して楽しめない映画ではありません。良くも悪くも手堅くまとめすぎたのかな、といった印象です。