코멘트
渋沢栄一の生涯を辿る大河ドラマです。 ☆第1回 メインの吉沢亮と草彅剛は冒頭にちょっと出ただけで、子役が中心の回ですが、そんな中で徳川斉昭を演じる竹中直人の怪演が圧倒的でした。 広大なオープンセットで描く農民の活計の表現が実に見事であり、NHKが並々ならない力を入れていることがよく分かります。今後が楽しみです。 ☆第2回 引き続き農村描写が見事です。とりわけ幼い栄一が獅子舞を踊るシーンには、彼の気概を感じてジーンときてしまいました。慶喜が能を舞うシーンもあります。私は当初プロが舞っていると思い込んでいましたが、後になって草彅剛が自身で舞っていたと知り驚きました。能の仕舞は、一朝一夕にできるものではありません。長瀬智也が「俺の家の話」で仕舞を舞って見せてくれた時にも驚きましたが、面を付け、重い装束を着て舞った草彅剛には、更に驚嘆しました。 ☆第3回 堤真一登場!流石堤さん、慶喜の側用人役を軽妙に演じており、草彅剛とのコンビ復活が待ち遠しいですね。また吉沢亮と玉木宏の再会シーンにはグッときました。 草彅剛の見せ場は、弓のシーンです。普通は矢を放つカットと矢が的に刺さるカットの2カットに割るのですが、本作では草彅君の背後から1カットで撮影しています。それは多分草彅君の弓の所作が見事だったからだと考えられます。「スタアの恋」の時に鍛えた弓の技が生きた美しいシーンでした。 ☆第4話 岡部藩からの御用金500両の要求に義憤を感じた栄一の怒りに燃える姿と慶喜と平岡円四郎の出会いを描いた重要な回です。 本作では力のこもった演出も見事ですが、隅々まで取材をして完成度の極めて高い脚本が素晴らしいですね。 そして吉沢亮を始めとする若者達の力みなぎる演技と円熟した草彅剛や堤真一の演技のバランスが良く取れています。 今回は、これまで何度も共演して気心が知れている草彅剛と堤真一の共演に魅せられました。これまでの草彅君は、出番が余りに少なく、彼の力量を示す余地はありませんでしたが、今回は慶喜の気高さと高潔さが見事に表現されており、漸くファンも納得できる演技を見せて貰いました。 ☆第6回 将軍慶喜は、後年大阪城から江戸城に戻り、天皇に対してひたすら恭順の意を示します。長年疑問に思っていた彼の行動を解き明かす重要なシーンが描かれます。それは「天子様に弓を引いてはならない」と父斉昭から薫陶を受けるシーンであり、これによって長年の疑問がストンと胸に落ちました。そしてこのシーンは、竹中直人と草彅剛の名演によって、大河史上屈指の名シーンとなりました。 ☆第9回 桜田門外ノ変と水戸斉昭急死という激動の回です。桜田門外ノ変は、水戸で子供と雪遊びをする斉昭と井伊直弼作の狂言をカットバックしながら、美しく鮮烈なシーンとなりました。 そして父の死を知らされた慶喜の哀しみと無力感を表情で表現した草彅剛の名演が強烈な印象を残します。 それだけでなく全てのシーンが実に見事に仕上がっていて、恐ろしく完成度の高い神回となりました。 ☆最終回 41回まで少しもダレるシーンがなく、人間渋沢栄一、人間徳川慶喜を見事に描き切った脚本が実に素晴らしいですね。それに日本一とも言えるNHKの大河スタッフの実力とが相まって、大河ドラマ史上トップを争う傑作が誕生しました。 若い吉沢亮は、最初から最後まで凄い熱量で渋沢栄一になり切りました。特に前回のアメリカと最終回の自宅での演説が素晴らしくて、魂が震えました。 そして渋沢が成長過程だった番組前半を支えたのは草彅剛演じる徳川慶喜でした。捉えどころがない慶喜というキャラクターを草彅君が演じ切れるのか不安でしたが、始まってみれば天才草彅剛の本領が発揮され、日本の映画ドラマ史上最高の慶喜が誕生しました。
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