코멘트
実在の人物マーク・オブライエンの伝記を基にして、ともすれば深刻になりがちな『障害者のセックス』というテーマに、ユーモアを交えながら大胆に踏みこんだ一作です。 物怖じしない態度でヌードも辞さず披露し、聖母のような包容力を見事に表現してみせるヘレン・ハントや、表情の微細な動きを通じて喜怒哀楽を伝えることに徹底したジョン・ホークスの演技が素晴らしいことは言うまでもありません。セックスサロゲートなんて聞くと、まるで自分には関係のないお話に思えますが、本作のテーマは全ての人々が共感できる実に普遍的な要素の集積です。 何かを成し遂げたときの喜び、愛する人へ思いが届かないことへの苛立ち、そして誰かと気持ちが通じあったときの多幸感。確かに体に大きなハンデを抱え、人よりも困難で不自由な道を歩んできたかもしれませんが、こんなに満たされた人生を送ることのできた彼をとても羨ましく思います。 マーク・オブライエン氏は49歳でその生涯を終え、多くの人に影響を与えました。気づけばその折り返し地点をとうに過ぎた自分自身に、今一度「何を成すべきか?」そう問いかけたくなる、素晴らしい映画でした。
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