映画と漫画は別物の世界、パラレルワールドのみつおとミツオとして観ました。 何回も観てはレビューを編集してます。 観るたびに印象が変わります。 最初観た時と今観た時の感想が変わる。 共依存がテーマだからやっぱり独特の深さを感じる堕ちるところまで堕ちていく破滅の道へ突き進んでいく全てが悪い方向に進んでいく2人の関係が、深くなればなるほど影が濃くなり覆い尽くすように感じる。 最後のシーンを観た時私は心中みたいだなと感じたこれから最後を迎える時も2人は一緒にきっと死ぬだろう。 怖い。悲しい。でも2人にはきっと愛なんてないんだろうでも離れられない元々一緒の体だったんだから切り離されたのがまた球体に戻っていくんだ。出会わなければこんな悲劇が起こらなかったのにでもきっと必然で出会わなければいけなかったそんな風に思ってしまう。 ミツオは会社にいる。 コーヒーを煎れてデスクに戻る疲れている落ち着いてる大人な男性（淵上さんのミツオ） 突然電話が鳴り、戸惑う。 女を殺したから来いという内容。 タクシーに乗り、みつおのいる場所に向かう。 みつおは酒を飲んで座り込んでいる。 みつおのチンピラ具合は映画の方が強い不良やっててそのまま大人になりヤクザとも関係もってる半グレ感がめちゃくちゃ強い、ミツオとは対局。 車で少し会話を交わすと2人の関係性がわかる （卒業以来会ってないらしい） 学生時代の回想シーン 服を脱がされて全裸で体育館倉庫に閉じ込められるミツオは夜になって出てくる、必死にドアを叩くがドアは鍵が閉まって出られない 後ろからみつおの声がして振り返ると 出してあげようかと言う。 みつおが俺の犬になれと言うと わかったとミツオが言う。 みつおが犬は人間語喋んねぇんだよ。 わんと言う。 関係性がここでできあがる。 ミツオは泣くでもなく怒るでもなく受け入れる。 山の中でミツオは女を埋める穴を掘る。 みつおは酔って車の中で寝る。 朝になり帰る突然みつおが急に狼狽えて弱気になる。 「俺は殺すつもりはなかったあの女を愛していた。」 走っていた車を急停車し ミツオがみつおにキスをする （ミツオがめちゃくちゃ怒ってるのがわかる。 2人の間に部外者が割り込むことが許せない気がする。みつおの弱味を握れたのに無くなることを恐れたのかもしれない、支配する側に周れる優越感とか？それとも名前さえ覚えていない女のことを愛してると言ったから？わからん） 怒ったミツオは車を降りて去っていく クラブで楽しそうにはしゃいでる みつおの女が通路で口紅を塗ってると男がナンパして抱き合っているところを見つけたみつおがキレて男に殴りかかる。 殴るみつおを止めた女が吹っ飛ばされてみつおに殴りかかる。 みつおがまたぶん投げて女を殴る。凄い殴る。 気を失った女を担ぎ車に入れる。 （狼狽えているみつおを見てると普段は威勢がいいけどいざとなると気が弱いんだなって思う あとみつおが細過ぎて女の子がめちゃくちゃ重そうだった。 一過性の関係でも支配欲が強いのでそんなに好きでも嫌いでもなくても自分の所有物に対しては怒りを感じてるようにも思えた。） 女を埋めた場所に警察を連れて行くと女の死体がない。 そこで例の刑事に出会う。 病院でヤクザ達を待っていると病院からおっさんが落ちてきた。 （おっさんに大丈夫ですか？救急車呼びますかって話しかけてるシーンはなんかほっこりした。みつおの可愛いところが出てる。） 会社にいるミツオの元に刑事が訪れる 色んなことを聞かれても冷静過ぎる反応のミツオ （この時にミツオの方が断然一枚も二枚も上手に感じた。） みつおが呼び出されてヤクザの事務所に行くと刑事がいた…刑事が飄々としながら芯をつくことを言う 刑事が佐伯、みつおに（みつおに可愛い顔をしてる）男色なんてのを好む人がいると言う。 （個人的に佐伯さんはみつおのことをおもちゃだと思っていそうだ。顔が可愛いよく鳴くおもちゃ面白半分でやってる？） 2人きりになり追い詰められたみつおはその場から逃げ出す。 （みつおは意図せずそうなっちゃう人なのかもな先を考えず今の感情で向こう水に突っ走ってしまうから嘘がつけないのかもしれない。） 焦ったみつおはミツオに連絡すると聞き覚えのある女の声がスマホ越しに聞こえる みつおが怒って家に行くと女がいたミツオに対して凄い勢いで襲いかかる。（暴力暴力暴力！！恐ろしいほどに殴るし蹴る） （女が生きていたことを黙っていたことに対してブチ切れてるようにも思えたけどお前は俺の犬なんだから勝手なことしてるんじゃねえよ複雑な感情）っていう感じがした。 ボコられたミツオがみつおにあの日のことを説明する。 ミツオが笑いながら女にキスする みつおくんの味がするよ… （普通にキモイまじ狂ってる） みつおはまたミツオのことを殴るんだけど ミツオが初めて強い口調で反抗した場面なんじゃないかな？ 「弱味を握りたいんじゃなくて虐められたいからこんなことするんだろう」 （この時ミツオの顔面に足置いてるしかも蹴り上げる凄い普通にそれができるみつおが凄い…） （しかも凄い泣いてるミツオめちゃくちゃみつおのこと好きじゃん…可哀想） みつおはもう女に対して興味ない感じがする。 ブス帰れよ（みつおの顔めちゃくちゃ怖いチビる…）女は走って逃げる というかミツオにとっても女はコマの一つ （不憫だよ女の子！！ボコられてトランクに積まれて運び出されて埋められて修羅場に巻き込まれて…消えた。でもあの女の子おつむが弱いよ） みつおがミツオに対して要求するけど多分あれはお前は俺に服従しろよってことなんだろうけどミツオは服従する やっぱり歪んでる2人の関係。 （欠けたパーツが合わさる感覚なのかもしれない） バーで2人が飲んでいると刑事がバーカウンターに座る… ミツオが刑事を挑発する。 乾杯してお酒を飲んで ミツオがみつおにキスをする （このシーンがめちゃくちゃ好き…説明できないけどめちゃくちゃ好き、今までの2人の関係性に変化してる気がする。みつおがミツオの所有物になっている…前は嫌がったキスをすんなり受け入れる感じが共依存っぽいなと） テレビを観ながら寝転ぶみつおにキスする アンドロギュヌスの内容を真剣に聞くミツオ （このシーン漫画だとデリヘル嬢呼んでみつおがヤッてるベッドの下にミツオがいてテレビ観てるんだよね…変な2人だ。） 回想シーン 学生時代、ミツオが彼女と学校でキスしているところをみつおが遠くから眺めている… 電話でミツオを呼び出し家に呼ぶ… ミツオから彼女を寝取るエグい、やり方が巧妙。恐ろしい。 （ミツオは自分の所有物だから管理する、傷つけてもいい、執着してる強烈な支配欲と嫉妬心） 何が怖いってミツオべつに怒るわけでもなく普通にその彼女とする。（多分みつおを思いながら激しい感情が渦巻いてると思う彼女はもうミツオの思考から消えているみつおに対しての怒りに変化しながらも強烈に支配したい気持ちになっている表情に感じた。） 漫画だとミツオが妄想の中でみつおを犯している描写がある多分そこがないとミツオの心情がわかりにくいかもしれない。女の子もたいして出てこない。 映画版の方がエグいと思うみつおの冷酷な一面が全面に出てる場面だと思う。 ベットの上にみつおが寝てその隣でミツオが寝ている手を繋ぎながら（肉体関係結んだ証かな？） ヤクザの事務所でみつおが凄い殴られ蹴られ意識がなくなるほど暴行される （しかもわざわざミツオに見せながら） そんで佐伯がミツオに片棒担がせる 仕事を終わらせたミツオがヤクザに電話するとなぜか自宅前にいる刑事、突然現れた刑事に驚き逃げだすミツオ、必死に追いかける刑事 （めちゃくちゃ走るの遅いよしんどそう。いい味だしてるよ刑事さん！！なんとしても実態を掴みたいんだろう） 無事に回収し逃げ切ったミツオは何かしらを佐伯に渡す。 佐伯さんからみつおのDVDを貰う （桃を途中で買ったらしい） 自宅に帰り桃を食べながらDVDを見てるミツオの表情がめちゃくちゃ怖いどんな感情でみてるんだろう ミツオに出会う前のみつおだろう。 （佐伯はミツオの依存心や執着心に漬け込んでわざわざこのDVDを渡したんだろうと私は思った。恐ろしい男だ。） 多分この時も金をちょろまかしてたんで裏DVDにして販売するつもりなんだろう。 （みつおくんを陵辱するのは多分佐伯の趣味なんだろうとてつもなくエグいよ泣き叫ぶみつおくんは見てらんないよ心が痛くなる。） 佐伯が画面内に現れみつおにキスをしている。　（渡したのはみつおの尊厳を奪うためでもある気がする。） DVD見られたみつおは自分の腹を刺す 病院での2人 （この時のみつおは多分ミツオと生きることを決めたのかなって思う） 普通に生きるために律儀にヤクザの事務所に行くみつおは最後の仕事をまかされて敵対してるヤクザの事務所に乗り込んで発泡する。 （個人的に乗り込む時のスローモーションっぽい感じが好き） ミツオの家までついたとき刑事さんが後ろから羽交い締めにした。 焦ったみつおは逃げるビルの前まで追い詰められたみつおは焦って刑事を撃つ 治療を受けてるみつおをミツオが迎えに行く。 ヤクザと医者が帰り2人きりになる。 怒りや悲しみや失意でいっぱいになったみつおはいつにも増して不安定だ。 みつおはミツオのことを押し倒し思いの丈を激しく叫ぶ。 （冷静なミツオに対してみつおは感情的で弱くて儚い危うい1人でいたら壊れちゃいそうなそんな脆さ） ここのキスシーンはなんか見てて辛かった。 タバコをふかし、眠るミツオの隣に腰掛けながらみつおがポツリと「俺たちどこにいくんだろう」と呟く 朝起きるとみつおがいなくなっていた。 取り残されたミツオは暴れる （やっと手にしたみつおはいつも居なくなるそんな不安感もあるんだろうな） 佐伯に連絡してみつおの居場所を聞き出す。 （ミツオは結構狡猾だ。） 寒そうな夜の港にいる 決心した顔のみつお （これ以上迷惑かけないように何も言わずに逃げた）初めてみせる優しさな気がする。 ミツオに帰れと叫ぶが ミツオは自分の顔を斬りつけるこれでカタギには戻れない、みつおはそっとミツオのことを抱きしめる。 （相当な覚悟がなければこんなことできないミツオにとってみつおはかけがえのない存在でみつおがいなければ生きる意味がないそんな風に捉えてしまう。） 船の上の2人、最後のセリフ ミツオは返事をしなかった。 （わかりきってるからだと思う） 個人的に私は最後のセリフはプロポーズだと思う。 どこにも居場所もいく場所もないあとは死ぬだけだ、破滅の道を歩いて行こう2人ならどこまでもいける。 わりと言葉の少ない場面があったりすると役者の演技が試されそうな演出だ〜と思いながら観てた。 田中さんの演技にかなりハマってしまった。 野良犬のようなみつおだった。危うくて壊れてしまいそうな不安定さが不完全さを体現してる気がした。思春期の青年のような未熟さ 淵上さんが泣きながらみつおに対して感情を爆発させてるシーンは悲しくなる。 肉体関係を持つシーンに踏み込めなかったのはなんか少しふに落ちない、あの2人が互いに堕ちていく理由がわかりにくい、ほのめかすシーンはあるものの無いとわからないと思う。 だからなんで共依存関係なのかなって… みつおは激しい乱暴だし凶暴だけど徐々に危うさと脆さが目立っていく感じがする ミツオに対して特別な感情をもっていることを自覚しているけど認められない暴力でしか表現できない人なのかもしれない。 たまにミツオに気づいてほしくて危険なことするのかなと思うような気もする。 （田中さんのみつおは田中さんが考えて作り出したみつおなんだと思う。そう感じた。愛を感じるし本気度を感じた。） ミツオの方は冷静だけどみつおのこととなると冷静ではいられない、（私的にはみつおもヤバイけどミツオの方がヤバイ気がする、自ら破滅の道に進むしみつおのために生きている） 支配されてるようにみえて支配してるのは実はミツオの方なんじゃないかなとか思える時がある。 関係性が逆転したりする。 共依存な関係だし歪んでるしまともと思えないのにこの2人にとっての関係はこれでいいとしか思えないそうでなくちゃいけない。 アンドロギュヌスの話しのように歪な2人はもとある形に戻った。そう思う。 漫画はゆらゆらとした湖の暗い底に沈むイメージ 映画はゴツゴツとした岩がたくさんある海に落ちていくイメージ