ドン・ホールとカルロス・ロペス・エストラーダが監督を務めた、2021年公開のファンタジー・アドベンチャー。 ウォルト・ディズニー・アニメーション・スタジオの長編第59作目となる本作では、主人公の女性戦士ラーヤが5つに分断された楽園「クマンドラ」に再び平和を取り戻す為奮闘する姿が描かれます。本作のアニメーション映像は400人以上のスタッフが各々自宅で製作し、ほぼ全編をリモートワークによって完成させたそうです。昨年の実写版『ムーラン』に続き、世界観からキャスティングに至るまで全編が東洋的な作品として仕上げられていますが、本作の場合は舞台が架空の世界に設定されている為、更にオリジナリティ溢れる作品世界として構築されています。フィクショナブルな世界観と東洋・アジア的な文化のスムーズな融合は、ドン・ホール監督の前作『ベイマックス』から引き続いて感心させられる部分です。本作は冒険の過程で徐々に仲間が加わっていき、力を合わせて最後の目的を果たすという非常に王道な物語ではありますが、そこでの個性豊かなキャラクター達が織りなすユーモアやチームプレイも爽快で楽しいですし、圧倒的な映像美の数々にも魅了させられます。心を持たない魔物ドルーンに飲み込まれた楽園は「嘘や欺瞞に満ちた世界」となってしまい、ラーヤ自身もかつての”裏切られた過去”から人を信じる心を失ってしまいます。これは非常に現代に相応しいテーマでもあり、本作はそういう社会に対して警鐘を鳴らす作品でもあると思います。他者との共存には「信じ合う心と、その一歩を踏み出す努力」が必要であり、クライマックスにおいてそれを主体的に選択するラーヤは、今を生きる我々自身が見習うべき姿であるとも言えます。 “かつての平和な世界の復活を望む孤独な戦士”であるラーヤは、コロナ禍により不安や孤独感を抱えてしまう今だからこそより強く共感出来る主人公だと思います。個人的にはピクサー作品を含めてもなおトップ5に入るレベルで大好きな作品となりました！痛快無比なファンタジー作品としても、社会を映し出す現代の物語としても、これは傑作ではないでしょうか。Disney+との同時公開や上映規模の大幅な縮小といった理由から興行的にはかなり厳しい状況だという事ですが、劇場にてリアルタイムで観る事を真っ先におすすめしたい一作です！トゥクトゥク乗りてぇぇ。 Q:『ラーヤと龍の王国』のプレミア アクセスの価格は、いくらですか？ A:『ラーヤと龍の王国』のプレミア アクセスは、日本では2,980円（税込3,278円）となります。 いや高すぎるわ！