
星ゆたか

노 베어스
평균 3.4
2025.5.8 ジャファル·パナピ監督(1960生.イラン)は。 イラン映画の名匠のアッバス·キアロスタミ監督(1940−2016)助監督からキャリアスタート。 「白い風船」(95)で監督デビュー。 「チャドルと生きる」(00)「オフサイドガールズ」(06)の2作は、各々ベネチア金獅子賞、ベルリン審査員賞受賞なれど。 内容がイラン政府体制批判として自国上映禁止。 更に2009年大統領選で改革派ミール·ホセイン·ムーサウィー候補支持表明から。 保守派マフムート·アフマディーネジャット政権と対立。 2010年3月自宅拘束(そこでも「これは映画ではない」ドキュメント映画制作)。 結果6年禁錮刑判決、20年に亘る映画制作·脚本·執筆·メディア対応·海外渡航禁止という非常に重い判決を下された。 この映画までに秘密裏に6本制作され、映画祭に協力者により出品され高い評価を得て。 映画祭の中では、イラン政府に対し『表現の自由』権利を訴える映画人らの活動が自主的に起きている。 この映画はそのパナピ監督が。 〈政府から出国·映画制作禁止されている映画監督〉の役を自ら演じ。 イランとトルコの国境近くの村でリモート操作で。 スタッフに指示し《偽パスポートで欧州に逃亡しようとする中年カップル〉の映画を制作している内容である。 その映画内のカップルも既に十年近く“脱出”を試みているが失敗し大変辛い経験をしていて。 この度の偽パスポートでの逃亡も。 女の方が2人一緒でなければ応じないと言い出し。 男の必ず自分も偽パスポートを手に入れて後から行くと言っても納得しない。 そもそもの監督のこの中年夫婦脱出物語の制作意図『自由を諦めなければ世間に希望の光が示せる』の本意からずれそうになる。 また監督が村長の計らいで老母親と中年息子の宿に世話になっている所で、問題が勃発する。 村には古くから因習に。 『娘は未来の夫を決めてからへその緒を切る』があり。 ゴサルという娘(22歳位)とソルトウーズという男(30歳)が許婚になっていた。 しかしこのゴサルを好きな大学院のヤグーブという青年が現れ。 “こじれ”関係に。 その問題解決の為に監督が村人を撮った写真があれば(ヤグーブとゴサルの密会現場)と提出を求めて村長をかしらに村の意見所の人たちが押しよせてきた。 が少年らを撮った時別の場所に“彼ら”がいたから撮ったはずとまでいい迫る。 そこで口だけでは信用しない村人達を納得させる為に。 カメラのファイルチップを村長に渡した。 しかし、村人達はその上で。 その主調に嘘はない『神への宣誓儀式』に出てほしいと言ってくる。 そこで夜半の宣誓所に向かう所である村人に止められ。 まず心構えを『熊が出る』前にと話しかけられる。 この題名の“熊”とは?。 《村(国)の外にある脅威》の事で。 村人の行動を縛る言い伝えなのだが。 この情報·教育·の偏った地域の中では、〈しきたり·因習〉の意義は重く。 同じような国民性の中でも理解し難い所がある。 だから民族·宗教の違う人種の中では、なおさら意味不明な違和感は当然ある。 しかしながら、それは遠く離れた日本の常識から離脱していて『分からない⁉️』と言い切れるかと言えば、そうでもない。 例えば子供時代の“いじめ”。 大人社会の“ハラスメント”などにも。 ある“偏見”から生じている場合が多いではないか。 更に趣味嗜好が『映画好き❗️』という共通項が仮にあった(このアプリ一つ上げただけでも)としても。 意見·思考の違いから仲違いするではないか。 だから、ここはどんな状況にあっても。 好き嫌いは別として。 相手を理解しようとする心構えは必要で。 普段から映画を見て、自己の感性の正統性を主張するばかりでなく。 各々の感想·意見を尊重する心配りをする訓練は。 人間性の習得において大切な事ではないかと思っている。 この映画の中の2組のカップルの人生の顛末は重い。 まさに『熊は、(いない) “いた”』のだ。