一部では評判を呼び、『アジョシ』で多くの人々のハートを打ち抜いた最強子役キム・セロンが、またもや似たような役で出演している一風変わった群像劇。 この映画はとにかく登場人物が多く、殺された少女の母親や犯人といった直接的な関係者から、アパートの管理人や近くのピザ屋の店員など、「お前必要？」と言いたくなるストーリーに必然性の薄い人物までが入り乱れています。あげく、展開がドスレートなドラマとしての醍醐味を発揮したかと思えば、急にホラーの要素が顔を覗かせたりと、正直整理のついていない部分が多いように感じるのです。 確かにオープニングと対をなす構造になったエピローグの一節は面白いと思いますし、なんとか全ての登場人物が物語に絡むように仕上がっているので、そこまでボロクソにけなす出来ではありません。よく調べてみると原作はネットで大ヒットした小説だそうで…なんか映画全体から滲み出る荒唐無稽さの理由が若干わかった気がします。