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star3.0
ナチスに併合されたオーストリアの山村で、頑なにナチスに従わずに処刑された実在の農夫フランツ・イェーガーシュテッダー(アウグスト・ディール)を描いた作品です。同じくナチスの内側の人物の目覚めを描いた名作「ジョジョ・ラビット」が非常に寓話的だったのに対し、本作はとても淡々と、誰かの感情にグッと寄ることもなく“そこにある生活”が積み重ねられていくような印象でした。詩的ともいえるかもしれません。そのいぶし銀ぶりに少し戸惑ってしまったところはありましたが、どうやらテレンス・マリック監督の作風みたいですね。 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 印象的だったのは、ナチスへの忠誠を誓えと言いながら「口だけでいいんだから!」と説得していく軍人たち。そんなんでいいのかよ!と思ってしまうのと同時に、これでよしとしてしまうくらい現体制に懐疑的なひとたちを数多く擁しながら、それでも声高に反乱できなかった状況の恐ろしさです。巻かれた長いものは、とんでもないモンスター。そんなものに、ただ家族と清く正しく穏やかに暮らしたいと願うひとの人生が否定されたのかと思うと、非常に無念です... また、舞台となるオーストリアの田舎の壮大な自然も本作の見どころのひとつです。滝がほんとすごい! 2020年日本公開。監督は「シン・レッド・ライン」「ツリー・オブ・ライフ」などのテレンス・マリック。主演はアウグスト・ディール。また今作はブルーノ・ガンツの遺作にもなりました。
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