ヨルゴス監督作を未見の方は恐らく到底理解出来ないであろうストーリー展開や映像のオンパレード。 私も好きか嫌いかと尋ねられたら、間違いなく好きな作風ではありません。 ただ、この監督の人間の嫌な部分を絶妙に映し出す演出に関しては多作とは比べ物にならないというか。エンドロールの音楽(森を風が虚しく吹き抜ける音？)にしても、なんとも言えない後味の悪さと空虚感をより増長させる巧さ。 いつもは意味不明な設定が多く、後味の悪さに加えて消化不良を起こすヨルゴス監督作品ですが、本作は非常に明快なテーマ(原題と作中に出て来る娘の学校で高評価を得たレポート名に注目)を監督自ら作中に盛り込んだことで、凡人の私にもある程度納得できるストーリー展開でした。 それと、マーティン役のバリー・コーガン君、今回もまた怪演でしたね。(ダンケルクやチェルノブイリではちょっと気弱な優しい青年という役所が物凄く印象的でしたが、こういう役も出来るなんてまだまだ若いのに今後が末恐ろしい、、、将来大物になりそうな予感) 何はともあれ、映画でしか感じられない様な不気味さや恐怖がふんだんに盛り込まれているのでなかなか面白かったです。(正直、ホラーより怖かった)