
ジュネ
3.0

톨킨
영화 ・ 2019
평균 3.3
2019年187本目は「指輪物語」の原作者でもあるファンタジー小説界巨星の伝記ドラマ、『トールキン』。 -------------------------------------------------- トールキンが孤児として育ち、学生生活を送る中でT.C.B.Sを結成、かけがえのない親友を得たことは紛れもない事実であり、「友情」は「指輪物語」にて描かれる重要なテーマの1つになっています。また、トールキンが奥さんのエディスと引き裂かれながら最終的におしどり夫婦となったエピソードもほぼ事実で、二人は本当にベランダから角砂糖を歩行者めがけて投げつけ遊ぶお茶目な一面もあったんだとか。 -------------------------------------------------- こう考えると圧倒的な情報量や世界観に支配された「指輪物語」も、その根底にあるのは誰しもが知る普遍的な「友情」「親愛」「家族との絆」といった感情だと気づかされます。しかし、本作は最も影響を及ぼしたであろうトールキンの「宗教観」についてはバッサリと排除されており、ケルト神話や北欧神話のエキスパートであった彼の本質に迫ったとは言えないのが残念です。 -------------------------------------------------- 代わって本作では先に述べた友人との交流や奥さんとのメロドラマに大部分の時間が割かれ、非常に「大衆ウケ」を狙った分かりやすい展開になっています。実際には塹壕熱のせいでほとんど前線に立たず、戦場での経験はないに等しいトールキンが戦地で幻影を見るシーンはその象徴でしょう。 -------------------------------------------------- 作り手もあまりに卓越したトールキンの才能を映像で表現すると難解になりすぎるため、腰が引けてしまったのかもしれませんね。