
星ゆたか

사랑의 행로
평균 3.8
2022.11.21 1989年に59歳で肝硬変で亡くなったジョン・カサヴェテス監督の遺作。 ベルリン映画祭グランプリを受けた。 《家族の複雑な愛の問題が続いていく日々》を終生テーマにしていたとされている。 当初は俳優デビューであったが、ハリウッドの制作システムに疑問を持ち。 それは例えば俳優の演技について。 喜怒哀楽をバターン化した当時の方式に反対し。自らの作品では俳優の演技を解放し、『まだこの場面を続けて撮るの?』という位感情の表現をフィルムに写しだしたので、観客も人物の思いに同化できたとされている。 そのため俳優出演で資金をためつつ、〈自主制作映画〉〈インデペントムービー〉に乗り出す。 「フェイシズ」「こわれゆく女」「グロリア」などがそれだ。 本作でも愛妻ジーナ・ローランズ(一歳年下)と弟姉関係の役柄で共演。しかしこの頃すでに監督は肝硬変の病も進んでいたそうだ。 81年に舞台で上演された戯曲のテッド・アランと共同脚本で映画化。 日本公開は1987年に。 物語は離婚歴のある主人公で小説家のロバートと、やはり離婚訴訟の調停で苦しむ姉サラとの数週間の日々を描く。 二人ともその普段の言動感覚の様子が、大分特殊なので観賞も好き嫌いが分かれる作品だろう。 ロバートは『現代人の孤独や愛を描く』人気作家だが。 ハリウッド郊外の家に、小さな女の子を持つシングルマザーの秘書や、次の小説の題材のためにと、複数の若い女性と契約期間限定の同居生活をしていて。 朝から起きている間ずっと酒が放せない。夜はフラフラ歓楽街に出向いて酒と女びたり。 8年ほど前に関係した女性が、その時出来た息子を数日預かってくれと置いてゆかれても、どう接していいか分からない。 一方姉サラはやはりその兄の子と同じ年位の娘から、離婚後は母親でなく父親と暮らしたいと言われ、ショックで離婚調停室の外で失神してしまう。それまでも度々夫の浮気などの精神不安定で、入退院を繰り返していたらしい。 そのため大量の荷物(タクシー2台から溢れるほど)を抱え、療養のため旅行へも出るが効果なく、弟の家に転がりこむ。そして弟が酒や女の生活に入り浸っているので、何かふわふわした愛玩動物でも買ってあげようと。 動物販売業者の家で、犬やインコに始まって、羊や山羊そして二匹の子馬までと買い、引き連れて帰ってきた。明らかに精神異常を引き起こしていた。 しかし姉の気持ちも、まるで分からない訳でもないのでその動物の世話をするからと姉に話す。 また姉は ☆夢★ で元の夫と娘とうまく楽しく暮らしていること(しかし一人よがりの言動で白けられてる)を“言動の弾み”に。 嵐の夜、ボーリング場で知り合った青年を呼び出し、その大量の荷物と共に兄の家を出ていく。といった展開だ。 その兄にしても姉にしても孤独から愛を求めてのおかしな言動は一種病的だが。 また金と暇とがある状態であるからでもあり、この辺は物質的環境に恵まれた現代人の抱える“心の透き間”に通じる所かも知れない。