【マイ・4K UltraHD Blu-ray・コレクション】 前作『カジノ・ロワイヤル』のラストシーンの直後、アルファ・ロメロとアストン・マーチンの激しいカーチェイスから始まる『慰めの報酬』。　 折しも脚本家たちによるストライキの最中、辛うじて出来上がった脚本をもとに慌ただしく撮影がスタートしたことも影響したのか、ダニエル・クレイグ版007の中では上映時間が106分と格段に短い。別にそれ自体は悪くなく、観る側にとってはこのくらいの上映時間がちょうど良いのだが、それとは関係なしに全体としてはややあっさりしすぎに感じてしまう。 何より敵役のインパクトが弱くあまり印象に残らない。オルガ・キュリレンコが演じたボンドウーマン（当時はまだボンドガール）も、ボンドが前作のヴェスパーを引きずっているせいもあり、やや影が薄い。 とはいえ、前述のカーチェイスやクライマックスのホテルの爆発、はたまたおそらくは『ゴールドフィンガー』へのオマージュと思われる黄金ならぬ【石油】まみれの女等々、見どころも多く、個人的にはじゅうぶん愉しめた。