
Till

다크맨
평균 3.1
北野武がオールタイムベストの一つにも挙げているヒーロー・アクション映画。 天才科学者ペイトンは恋人である弁護士のジェリーが手掛けている事件に巻き込まれ、研究室ごと爆破された挙げ句、全身に大火傷を負ってしまう。ペイトンは自身が研究していた人工皮膚の技術を駆使しながら、黒幕に復讐を果たそうとするが…。 サム・ライミがあの『スパイダーマン』シリーズを作り上げる前に世に放った一作で、一見アメコミっぽいタイトルだが、実はサム・ライミ原案のオリジナル作品。主演を務めたのは若かりし頃(と言っても30代後半)のリーアム・ニーソン、ヒロインは『ファーゴ』『スリー・ビルボード』『ノマドランド』でアカデミー主演女優賞を受賞したフランシス・マクドーマンドと今考えればかなり豪華。当時はおそらく無名に近かった二人の演技を見られるというだけでも一見の価値はあるだろう。 本作の面白さは、主人公の長所と短所を上手い具合に活かした脚本、そしてシリアス調とコミカル調を融合させた独特の演出にある。例えば、主人公の「人工皮膚によってどんな人物にも変装できる」という能力。これによって、ミッションインポッシブル的な潜入捜査が可能になるのだが、そこに「人工皮膚は日光下では99分で崩れてしまう(=変装がバレる)」というタイムリミットを設けることで緊迫感をも生み出している。しかし、このあたりのシリアスさとは打って変わって、いざ変装している本人と鉢合わせてしまうと、そこからは「俺が本物だ」「いや、俺が本物だ」みたいなドタバタコメディ調のノリになる。ここのギャップが面白い。また、主人公は大火傷の治療に伴う副作用により「感情をコントロールできない」という問題も抱えているのだが、そこの描写もコミカルで結構笑える。 ワクワクして、ハラハラして、笑えて、でも最後にはしっかりと余韻を残してくる。さすがに30年前の映画なので古臭さは感じますが、今観ても純粋に楽しめる良作でした。