
なでかた

조조 래빗
평균 4.0
戦争映画として、ヒューマンコメディ映画として、ジュブナイル映画として、最高レベルの仕上がりだった。主人公の少年ジョジョ10才が、第二次世界大戦のドイツで起きているヒトラー支配下、ユダヤ迫害という背景で、どんなことが正しいか、どんなことが間違っているかを考え、どんなものを受け取って成長していく様が実に見所でありテーマだ。応援したくなるほどキュートなジョジョ、その友人の丸いヨーキーなど個人的に推したくなるキャラクターが満載でどれも優しくて好きだ。物語の展開でユダヤ人エルサはどこか亡くなった大好きな姉インゲを彷彿させ、ナチスとユダヤという関係性を少しずつ緩和させ、少しずつ歩み寄りながら、少しずつ好きになり、ジョジョのお腹の蝶々が大きくなる過程が面白いんだ。ジョジョのお腹の蝶々というのは母親ロージーが愛について語るシーンがあり、ジョジョは「世界で一番強いのはミサイルだ。次がダイナマイトで、3番が筋肉だ。」と言い張るところが戦時下でヒトラーによる影響と思えた。それでも母親ロージーは「ダンスは心の解放、自由な人は踊るのよ。」と言い10才らしく、友達と遊んで、恋をして、愛を知っていて欲しいという思いが常に見えていて好きだ。 おそらくこの物語のKeyはジョジョの空想上の友人アドルフだ。まんまヒトラーな訳だが、ナチスの精神を徹底的に、時にはポジティブに、時には残虐的に、良い意味でジョジョを支え、悪い意味でジョジョを洗脳するキャラクターで、監督自身が演じただけあって物語のターニングポイントにおいて良い立ち位置だ。彼の存在のおかげでシリアスなシーンもポップに見えます。ジョジョの母親ロージーはレジスタンスであり、ドイツ軍解放せよという紙を証拠隠滅のために燃やすシーンが印象的だ。そこに空想上の友人アドルフは「なにを燃やしている」と繰り返し叫ぶが、監督のユニークな才能が光った瞬間だと考えた。シリアスな場面なのに笑えるという矛盾した実に奇妙な感覚だ。 【戦争をしてはいけない】という概念は一般常識レベルで広がっているが、実のところ戦争経験者はもうこの世にいなくなる時代へと突入した。だから【戦争をしてはいけない】という理由付けは憲法以外で説得力が失くなる可能性があり、映像や映画やドラマやドキュメンタリーとして残しインパクトや説得力が必要だ。その上で、本作「ジョジョ・ラビット」は【戦争をしてはいけない】という印象を色濃く映してくれた。ラストに向けた展開を観た方々ならわかるであろう、子供目線で戦争の恐ろしさを表現できている。これはオールタイムベストやマイベストなんてものじゃなく、教科書や、教育や、子供への成長過程に必要不可欠な作品だと考える。憲法9条、平和主義という言葉より説得力が十分かと思えた。 「ジョーカー」や「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド」や「アイリッシュマン」や「マリッジ・ストーリー」とは違ったアカデミー賞作品だ。観たあとに流した涙を劇場に置いて前向きな一歩を踏み出せ、正しいこと、できることから始めたくなるはずだ。 映画館で見れなければ、いつか生きている間、戦争が再び始まる前にみてほしい。生き方だけでなく、人生を振り返り、自分の新しいターニングポイントを生んでくれる作品だと私は考えている。