
星ゆたか

제너레이션
평균 3.2
2023.7.19 ポーランド映画界の巨匠アンジェイ・ワイダ(1926~2016)監督のデビュー作品だ。 「地下水道」(57)「灰とダイヤモンド」(58)と共に“抵抗三部作”と称されている。 歴史的背景として。 第二次大戦末期、レニングラードで敗北したドイツ軍が、ソビエト軍に追われてドイツに後退してくる。 その戦線が途中のポーランドのワルシャワに迫った時、そこでポーランドのレジスタンス勢(この映画の42年頃はユダヤ人ゲットーが)一斉に武装蜂起してドイツ軍に打撃を与えた。 しかしまだこの時点では完全に力を失っていないドイツ軍は、このレジスタンス勢を徹底的に叩き、怒り狂ったヒットラーはワルシャワ市街を破壊した。 そのため武装勢力は路上を動けず、地下の下水道に潜って移動した。 その辺の様子がその次の「地下水道」によって描かれた訳である。 この「世代」では、ドイツ軍用列車の石炭盗みで仲間の一人を、列車の監視役に射殺されたため。 主人公の青年、表向きは強制収容所の二段ベットの需要がある木工作業所の見習いに務めつつ。 青年武装集団の勧誘にきた娘に惹かれ、その一員に。 この木工作業所は、利益をレジスタンス運動に回し、内密に武器も隠している。主人公はその中から拳銃を盗み出す。 少し強くなった気分。 ただこのような国内軍系のレジスタン組織に参加しても、結局何も出来ないと。 この映画では共産党の組織に移るまでを描いている。 この中の「ワルシャワ蜂起」と呼ばれた事件は、戦後のポーランドの社会主義政権からは、早まった愚かな蜂起として見られているそうだ。 それはどうしてかというと。 大戦中にポーランドでは、ドイツ軍に対するレジスタンスが盛んに行われた。 その主力はドイツ軍に負けて解体された旧ポーランド軍の将兵達で、国内軍と呼ばれ。 イギリスに亡命した旧ポーランド政府の指令で動いていた。 彼らはソビエト軍によってドイツ軍から解放されると社会主義化されてしまうという恐れから。 自力で祖国を解放したという実績を作るために早まった蜂起をして、いたずらに犠牲を多く出してしまったというのが戦後の解釈である。 大戦終結後、ソビエト軍がドイツ軍を追い出して駐留することになった東ヨーロッパの国々では、ソビエトの指導下で社会主義政府が作られて、ソビエトの衛星国と呼ばれるようになる。 そんな中、56年にフルシチョフのスターリン批判が行われた結果。 スターリンがひどい独裁者であったかと暴露した演説のお陰で。 共産党にも誤りはあるから今後は言論の自由化で誤りを正していくと、共産党の本家本元が約束した結果。 社会主義国の芸術に大きな影響を及ぼしたとも言われた。少し“ものを言える”状況になったらしい。 ただ社会主義には誰しも疑問を持つが。 多くの人は言ってもどうにも成らないと諦める傾向がある。 しかし一連の映画で国際的評価を積み重ねてきたワイダ監督は。 批判の標的を政府の変革に求めたため。 何度も政府から映画制作を禁止されたそうだ。 けれど彼を支援する動きは各国から起き。 日本でもかつて岩波ホールの髙野悦子総支配人がリーダーになって支援したとの歴史がある。 今回この映画を見た上で。 映画評論家.佐藤忠男(1930~2022)さんの。 『アンジェイ・ワイダと戦後ポーランド』~その時代を知る者としてどうしても描いて残さねばならないこと。 「残像」に寄せる文献が非常に参考になりました。 そしてあのソビエト共産党解体の1989年に。 ポーランドでも社会主義を止めようとする動きが成功することに。 さて時代背景はその辺にして。 本作品では所どころに、ナチの卑劣で残虐な場面(電柱に“ナチに叛いた者を見せしめ”に首吊りの列)が登場して。 特に仲間の一人がナチの将兵達に追われながら、銃撃戦の果て。 螺旋階段の建物の頂上から、覚悟を決めて見投げする一連の場面は忘れ難い。 まだ廃墟の残る実写風景の白黒映像にも心を奪われた。 さすがアンジェイ・ムンク監督(1929~1961)代表作「鉄路の男」(56)「エロイカ」(57)「パサジェルカ」(61) イエジー・カハレロビチ監督(1922~2007)代表作「影」(56)「夜行列車」(59)「尼僧ヨアンナ」(61) らと並び《ポーランド派》と呼ばれた所以である。 またワイダ監督作品には。 「約束の土地」(75)「大理石の男」(80)「鉄の男」(81)「カティンの森」(2007)「残像」(2016年遺作)などがある。 また機会があったら見たいと思っている。