
hanako

애프터썬
평균 3.6
★アカデミー賞主演男優賞ノミネート(ポール・メスカル)★2023/5/27 @ヒューマントラストシネマ有楽町 11歳のソフィが、離れて暮らす父親と過ごす夏の休暇の数日間。 舞台はトルコのひなびたリゾートホテルで、兄と間違われるほど若い父は休暇中に31歳の誕生日を迎え、旅行中はハンディカメラをお互いに向けて和気あいあいと穏やかな時間が流れる。 時は流れ、当時の父の歳に追い付いて31歳の誕生日を迎えたソフィが、その時のビデオを見返すというお話。 ◆ 繊細でエモーショナル。 『っえ!これで終わり?!』なラストで、何とも言えない余韻に強制的に突き落とされる感覚。 “アフターサン”とは、日焼けした肌を落ち着かせるローションのようなもの。 劇中で何度かお互いの身体に日焼け止めを塗るシーンが出てくるのだけど、11歳という年齢設定が絶妙。父親に日焼け止め塗ってもらうのに抵抗感が芽生える直前の年齢じゃないかな(おそらく翌年は拒否されると思う。笑) リゾートホテルに家族で来てる他の子ほどお子ちゃまでもないし、子供だけで来てるティーネイジャーに比べるとガキで、どちらにも属せない“狭間”。 同様に、同い年くらいの子供がいる親世代から比べると若く、若者に混じって遊ぶほど若くもない父もまた“狭間”。この世界に親子2人だけ、みたいな感覚。 ◆ ◆ ◆ ◆【ネタバレ含む】 ◆ ◆ ◆ ◆ とにかくずっと不穏なんです、父が…! 穏やかで優しくて、娘を楽しませようとしているのだけど、ふとした瞬間に『ん?』という危うさがあり、普通ではないこと段々気付く。 部屋に置いてある本からも、メンタルに問題あるのかな?と…(ソフィもちょっと父のおかしさに気づいてるんだけど、永遠を感じるような楽しい時間が壊れないように気付かないふりをしてますね)。 ◆ 明確な答えは全く提示されない“好きに解釈してね”系映画なのだけど、父の少ない言葉から察するに、愛のない家庭に育って、若い頃考えもなく子供が出来てしまって、父親としてのプレッシャーに潰されて、望んだ人生が送れず、耐えられず、常に死にたい衝動があったのかな…と。 だからソフィからの『11歳の頃、どんな31歳になると思ってた?』の質問は痛すぎる質問で、可愛いサプライズのバースデーソングでトドメだったのかな。(おそらく、この休暇の後に父は自殺したんじゃないかと思う。身の丈に合わない高いトルコ絨毯の買い物は、ソフィに託す遺品)。 自分の何気ない言葉が、父を追い詰めたのかもしれない、そんなことに気付いてしまったら?ビデオを見終えた大人のソフィの悲痛な表情も頷けますよね。 ◆ 無垢なソフィにとっては父との楽しい思い出だった。それが、時が経ってアフターサンが必要な、ちょっと火傷のような思い出になってしまったんだろうね。