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「ある船頭の話」を観ました。 ポスター写真がまず良い。 真っ赤に色付けられた川に浮かぶ渡し船の画にタイトルロゴも秀逸だな~と。 俳優オダギリジョーの長編初監督作品。 ちなみに撮影監督はクリストファー・ドイル。 ある田舎の川岸の掘っ立て小屋に暮らすトイチ(柄本明)は村から町へ渡る人々を乗せる船頭をしていた。 ある日、赤い服を着て流れ着いた瀕死の少女を救ったことからトイチの日常が変わっていく…そんなお話。 まぁ、何と言ってもトイチを演じる柄本明さんの存在感に圧倒されました。 日課のように船に水をかけ黙々と雑巾がけをするトイチ。 どんな客にも頭が低く、黙々と船渡しをする姿は観ていて飽きないです。 顔馴染みの客もいれば、川に橋を架けている態度の悪い工事関係者もいる。 暇な時間は釣糸を垂らし、魚を獲るトイチ。 そしてただ船に座っている姿だけでも何とも言えない味わいのある存在感。 改めてすごい役者だな、と再確認。 後で知った事ですが、時代は明治から大正初期の頃らしい。 トイチの暮らす川にも橋ができたら船頭の仕事は失くなる。 「役に立たないものはみんな失くなっていくんだ」と分かっていても心の内は複雑だろう。 トイチに懐いていた村の源三(村上虹郎)が橋が出来て羽振りが良くなったのか、服装も態度も変わっていく場面は象徴的。 さて、作中で突然現れる精霊のような存在。 ブラック・ファンタジーのように入るトイチの血生臭い空想。 その辺は個人的には今一つだったかな。 それから登場する役者陣の超豪華なこと! (みんなオダジョーを応援するかのよう) 中でも永瀬正敏さん演じる仁平が父の亡骸を雨の中トイチと運ぶシーンは良かったです。 だから船に乗る登場人物はもっと少なく絞っても良いのでは。 完成した橋を渡るトイチは何を感じたのか。 守る存在(少女)ができて、船を漕ぐトイチはどこへ向かっていくのか。 キラキラ輝く川面や霧の立ち込める風景、鳥や虫の鳴き声だけが聞こえる静寂なシーンの美しさ。 その背景とトイチの姿だけでも満足できる。 (こんな俳優を父に持つ柄本兄弟は誇りでしょう) と言うわけで、オダジョーの意欲作には非凡な才能を改めて感じました。
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