原題は「The Kindness of Strangers」です。 大好きなビル・ナイとタハール・ラヒム目的で観ましたが、わりと早くにちょっと違う感が出た作品でした。 ニューヨーク、マンハッタンで長年続くロシア料理店オーナーのティモフェイ(ビル・ナイ)は店の存続に危機感を覚える。 そもそも缶詰めキャビアだけで勝負するのが間違いだろう。 店の常連客のアリスは看護師をしながら無料食堂や「赦しの会」などの活動で人のために生きている女性。 「どうせ待っている人はいないでしょ？」と婦長にむりやりシフトを組まれるアリス。 善い人はこうして疲弊してしまうのだろうな。 刑務所帰りのマーク(タハール・ラヒム)はロシア料理店の仕事に就く。 マークの過去にも事情があるが飲食店のマネージャーは天職なのだろう。 そして警察官の夫の暴力から逃れてきたクララ(ゾーイ・カザン)。 ２人の息子を連れてニューヨークに出てきたが経済的DVもありお金も身の回り品もない。 もちろんクララの境遇は同情するが、外の世界を知らないからかあまりにも無計画。 お金がないから盗みを重ね、「貧相」と言われちょっと違う世界を夢見ているよう。 家庭不和で育っていると一番の犠牲者は子ども達。 殴る父親には会いたくないのは当たり前。 クララは運良くロシア料理店でティモフェイやマークに出会え、看護師のアリスのおかげで生き抜く事ができたけど。 お話はハッピーエンドではあるけれど、構成のせいかボヤけてしまった印象でした。 脚本もイマイチ。 もっと良い映画にできたはずだけど残念。 泣いても笑っているように見えるゾーイ・カザンでした。