
にしにし

낮비
평균 3.4
"映画館を出たら、いつもの街並みが違って見えれば、その映画は名作"という法則が発動です。観終わると夜で、帰り道、ふと、街灯が照らす路地と暗がりの境や、その暗がりの奥が気になったりと、僕を取り巻く"世界"と薄い皮膜一枚を隔てて存在するかもしれないもう1つの日常の可能性を濃密に感じました。 前半のラブコメ路線だけで1本面白いものになりそうだけど、映画半ばのタイトルの出方が秀逸。それは、お気楽なラブコメ世界の周りを遠巻きに周回していたもう1つの"世界"が一気に侵食してくるサインで、これから何かとんでもなく嫌なことが起こる不穏さを観客に抱かせるのに十分で、妙な映画的興奮を覚えました。 この映画がユニークなのは、いじめられた経験が彼を生み出したのかがはっきりしない点。そのことが、この映画を一段階上位の、より普遍的なものにしてる気がします。いじめや虐待なんかが生む負の連鎖も大事なテーマだと思うけれど、この映画はもっと別の……あらゆる人(例えばそれが連続殺人鬼であれ、気のいい童貞の青年であれ)が持つ心の不可解さ、理不尽さから生じる世界の残酷な真実(と、もしかしたらささやかな救済)を描いてるんじゃないかなぁ。 ラストに示される、ある種の救いの可能性については、あざとい、とか、俗っぽい感じに落とし込んだと言えなくもないけど、あれはギリのバランスでアリだと僕は思いました。だって、泣いちゃったし。 寸分の隙のない演出は言わずもがな、役者がいい。森田剛、ユー、いっぱい映画賞獲っちゃいなよ!濱田岳の巧さは鼻につかない安定感だし、相手の女の子も、実に男にとってのファンタジー感満載でよかったし、ムロツヨシにはほっこりさせられたし(まさかの…だったけど)。 今年の邦画のレベルの高さを象徴する一本でした。