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【くすぐる映画】 趣味や思考が徹底的にかぶる男女が、その合致が連続する奇跡に否応なしに恋に落ちていく描写に胸キュンの嵐。迎える結末もどこか穏やかでほっこり。ウイットに富んだ表現満載で、脳や心がくすぐられ続ける映画。 ◆概要 脚本:「東京ラブストーリー」坂元裕二 監督:「映画 ビリギャル」土井裕泰 出演:菅田将暉、有村架純 ◆ストーリー 終電を逃したことから偶然に出会った大学生の山音麦と八谷絹。2人は大学卒業後フリーターをしながら同棲をスタートさせる。日常でどんなことが起こっても、日々の現状維持を目標に2人は就職活動を続けるが……。 ◆ ◆以下ネタバレ ◆ ◆恋のはじまり 多分この映画の醍醐味は前半だと思う。お互いの趣味が徹底的にかぶりつづける奇跡の連続に、見ているこちらまで胸キュンの嵐。履いているスニーカーが一致するだけで十分な恋のはじまりが、“私の本棚と一緒じゃん”で頂点。“僕の絵が好きって言ってくれた”と4回連呼する麦、髪を乾かしてもらっている時の絹のドキドキを隠しきれない表情。この、もう心の距離が強制的に近づけられていく絶妙な2人のやりとり。安楽死ならぬ安キュン死できる映画だと言える笑。 ◆別れ 麦の就職をきっかけに次第にすれ違っていく2人。最終的には別れを迎えるものの、この映画は2人が罵り合わず、深くは傷つけ合わずに結末を迎える穏やかさがある。趣味や思考が一致する人間どうしは、別れてもやる事が一致。音楽の聴き方を正し、背を向けて手を振るのも一緒な2人の思いの軌跡が、ストリートビューという今どきな形で残されたラストも良かった。 ◆ウイット ゴールデンカムイの13巻まで読み進んだ絹と、8巻で止まったままの麦。”今村夏子が芥川賞を受賞したのに俺は変われていない”的な表現や、押井守を神呼ばわりをするあたりも、まあとにかくカルチャーの真ん中から隅まで突いてくるようなウイットに富んだ表現。個人的には、ひとシーンずつ止めて、その言葉の意味を解釈しながら見進めたい映画だと思った。ちなみに、麦の本棚に「地球の歩き方」や大友克洋作品が並んでいたのを見て個人的に心が震えたので、自分の本棚と同じ本を見つけて同じく震えた人も多いのでは笑 ◆映画表現 2人の恋が始まったジョナサンが、2人の別れを決める場所になった事。赤信号の前でのキスで始まった2人は、別れのハグも赤信号前。タクシーが駐車する高架下道を、麦と絹が語り合いながら歩くのもはじめと終わりで同じ構図だった。はじまりと終わりを同じ場所、同じ構図にする事で、より終始が際立つし、映像の作り分けになっていたように思う。 ◆トリビア ○ 固有名詞や実在の場所が登場するのが坂元作品の特徴。本作でも、押井守が“本人役”で登場したり、お笑いコンビ「天竺鼠」や、早稲田松竹や下高井戸シネマといった映画館、実在の楽曲や小説などが多数登場する。(https://eiga.com/news/20210130/17/)
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