トビー・マグワイア主演ですが日本では集客力がないと考えられたのか、未公開送りになったブラックコメディ。 一見すると主人公がどんどんトラブルに巻き込まれてドン底へひた走る群像劇に思われるが、どう見てもいざこざを引き起こしているのは無責任な主人公その人。その自業自得な有り様を日本人には笑っていいのかすらわからない皮肉とジョークで見せていくため、配給会社の未公開スルーは正しい判断であったと確信せざるを得ない出来です。 唯一の救いは演者のやけに活き活きとしたパフォーマンス合戦で、特に「アメリカの白竜」ことレイ・リオッタの様式美と化した裏の顔ぶりは流石でした。劇中、庭を荒らし回る「アライグマ」が主人公の前に度々幻覚として現れ、狂気のスイッチを引く役目を果たすんですが、これは監督の実体験に基づいてるんだとか…それを面白いと思ってる時点でギャグセンスが人とはずれてる気がするんですけれど。