
ひろ

히셔
평균 3.2
次世代のデヴィッド・フィンチャーと言われ、天才映像作家の名を欲しいままにしている新鋭スペンサー・サッサー監督・脚本による長編映画デビュー作となる2010年のアメリカ映画 ・ アナーキーで変わり者である男、ヘッシャー(ジュセフ・ゴードン=レヴィット)。ある日、自動車事故で母親を亡くしたばかりの少年TJ(デヴィン・ブロシュー)と、その父ポール(レイン・ウィルソン)のもとで暮らすことになったヘッシャーは、親子にとって特異な存在であったが…。 ・ 妻を亡くした父親、母親を亡くし学校ではいじめられる息子、2人の世話をする祖母。悲しみに覆われた家に、なぜかヘヴィメタを愛する破天荒な男が住み着く。ギクシャクした家に、半裸で居座る男のシュールさが面白すぎる。 ・ “メタルヘッド”も“ヘッシャー”もヘヴィメタ好きの俗称であるから、思いっきりヘヴィメタ映画なのかと思っていたら、息子と父親の再生を描いたヒューマンドラマ。普通のヒューマンドラマと違うのは、彼らを再生へと誘う男が、常識から脱線していること。 ・ やりすぎのヘッシャーに笑ってばかりだが、どうしようもない失意のどん底にいる人たちには、ぶん殴ってでも立ち上がらせてくれるような人が必要なのかもしれない。ただ、自分が失意のどん底にいても、ヘッシャーだけには出会いたくないな(笑) ・ 終始イカれてらっしゃるヘッシャーを演じたのは、最近の活躍著しいジュセフ・ゴードン=レヴィット。これまで「(500)日のサマー」など草食系のイメージが強かった彼が、肉食系どころの騒ぎじゃない男を演じている。ブリーフ一枚で、ほぼ半裸で歩き回るジュセフに惚れる女子が急増するだろうな。 ・ プロデューサーにも名を連ねるナタリー・ポートマン。冴えない地味なスーパーのレジ打ちという脇役。オスカーを受賞して勢いのある彼女が、あえて一歩引いた脇役を演じていることで、より女優としての幅が広まったと思う。個人的には地味なナタリーの方が好き。 ・ 主人公のTJを演じた人気子役のデヴィン・ブロシュー君もよかったし、コメディなどで味を出しているレイン・ウィルソンが、失意の底にいる父親という役をやっていたのも新鮮だった。これだけのキャストが、自ら出演を熱望したっていうんだからすごいね。 ・ そして注目すべきはもちろん音楽。全編にヘヴィメタの神であるメタリカの楽曲が使われている。映画などにまず楽曲の使用許可を出さないことで有名なメタリカが、楽曲使用を許可している時点で、映画にお墨付きをもらったようなもの。 ・ あとワンパンチ欲しかった気もするけど、新世代の天才監督の可能性は充分感じることができた。スペンサー・サッサーが天才と呼ばれるきっかけになった短編ゾンビ映画を、自ら長編化しているらしいので、いまから楽しみでしょうがない。