新鋭ﾏｼｭｰ･ﾗｲｱﾝ･ﾎｰｸﾞ監督･脚本､彼の脚本に惚れ込んだｹｳﾞｨﾝ･ｽﾍﾟｲｼｰが製作を務め出演もしている2003年のｱﾒﾘｶ映画 ・ 平凡な16歳の少年ﾘｰﾗﾝﾄﾞ（ﾗｲｱﾝ･ｺﾞｽﾞﾘﾝｸﾞ）は､ある日突然､知的障害者のﾗｲｱﾝを刺し殺してしまう｡それまでﾘｰﾗﾝﾄﾞが､恋人の弟であるﾗｲｱﾝを親身になって世話していただけに､周囲の誰もが驚愕し､混乱する｡ ・ そんな中､ﾘｰﾗﾝﾄﾞが収容された矯正施設の教員ﾊﾟｰﾙ（ﾄﾞﾝ･ﾁｰﾄﾞﾙ）は､自分の小説のﾈﾀにしようと好奇心でﾘｰﾗﾝﾄﾞに近づく｡しかしﾊﾟｰﾙは､ﾘｰﾗﾝﾄﾞの繊細で物静かな素顔を知るにつれ､彼の凶行の動機をますます見失っていく…｡ ・ 近年増加する少年犯罪｡その裏側に潜む若者の心情を描いたせつない青春映画｡少年院で教師をしていた監督による脚本だから説得力がある｡ ・ 恋をしてﾊｯﾋﾟｰで､失恋して絶望する｡そんなよくいる16歳の理知的なﾘｰﾗﾝﾄﾞ｡彼の目に映るものが､彼を凶行へと走らせた｡犯罪者には見えない少年の心情が明らかになるっていくに連れせつなさがこみ上げてくる｡ ・ それにしても､ﾘｰﾗﾝﾄﾞというｷｬﾗｸﾀｰが達観した態度から大人っぽく見えるにしても､16歳には見えない｡ﾘｰﾗﾝﾄﾞ役のﾗｲｱﾝ･ｺﾞｽﾞﾘﾝｸﾞは当時22歳｡演技はよかったけど､年齢には無理があったようなあせあせ ・ ﾘｰﾗﾝﾄﾞと対話する教師ﾊﾟｰﾙ｡自らを弱い人間と言い､少しずつﾘｰﾗﾝﾄﾞと打ち解けていく｡そんなﾊﾟｰﾙを名優ﾄﾞﾝ･ﾁｰﾄﾞﾙが好演｡ ・ ﾘｰﾗﾝﾄﾞの父親をｹｳﾞｨﾝ･ｽﾍﾟｲｼｰ､他にもｸﾘｽ･ｸﾗｲﾝ､ｼﾞｪﾅ･ﾏﾛｰﾝ､ﾚﾅ･ｵﾘﾝ､ﾏｲｹﾙ･ﾍﾟｰﾆｬなど豪華ｷｬｽﾄ｡ ・ 16歳という多感な年ごろの少年を中心とした複雑な人間関係｡それらが少年にもたらした影響は､あまりにも哀しい｡しかし､これも現代の若者のひとつの姿なのかもしれない｡