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런 올 나이트
평균 3.2
2021년 07월 15일에 봄
ジャウム・コレット=セラが監督を務めた、2015年公開のアクション・スリラー。 リーアム・ニーソン×セラ監督による『アンノウン』『フライト・ゲーム』に続く3度目のタッグとなる本作では、息子マイクを助ける為に旧友でもあるマフィアのボス・ショーンの息子を射殺した主人公ジミーがマイクと共に殺し屋や警察から逃走する姿が描かれます。タッグ作としては本作の後にもう1本『トレイン・ミッション』(2018)が制作されていますが、現時点で4本あるタッグ作の中でも自分は本作が一番好みでした。まず何より本作は「ニューヨークを舞台とした逃走劇」として非常に見応えがあります。肉弾戦あり、ガンアクションあり、カーチェイスありと、ニーソン主演のアクション映画としてもかなりの満足度に達していると思いますし、その一つ一つには独自の切り口や斬新な見せ方までしっかり用意されています。また舞台となるニューヨークも全編通して非常に艶めかしく捉えられています。そしてこの美しい夜景が”70年代風味の渋いアクション映画”として作品全体をデザインしており、本作の物語やテーマ性とも非常にマッチしています。『ダイ・ハード3』や『コラテラル』のような「街全体を一種の限定空間として捉える」というスタンスも、本作の逃走劇に独自のスリルや緊張感を与えている印象を受けました。またこのスタンスを強調するかのように挟み込まれる「街全体を飛び回るような縦横無尽のカメラワーク」も実に印象的です。これを見て自分は真っ先に『パニック・ルーム』を連想しましたが、あちらも舞台となる限定空間の存在感を強烈に印象付けるように駆使されていましたし、こういったモダンな画作りも作品を既存の枠組みに陥らせない為のチャレンジングな一工夫であり、本作及びセラ監督作品の大きな魅力の一つだと思います。 作品のルックに関する話だけで長文になってしまいましたが、肝心のドラマパートも非常に見応えのある内容となっています。本作はまさに【親の因果が子に報う】という物語であり、主人公ジミーは”自身の汚れた過去に対する贖罪”として息子を命懸けで守り、かつて共にその手を血で染めてきた旧友ショーンとの関係に落とし前を付けるべく孤軍奮闘します。そしてこの”父親失格の主人公”と”過去への贖罪”という要素はそれぞれ『96時間』や『アンノウン』で語られていたテーマでもあり、本作はそれらに対しニーソン自らが更に追求し磨きをかけたような作品とも言えます。ニーソンの体現する弱々しい人間的一面が存分に活かされていると共に前述したセラ監督のエッセンスも濃密に反映された本作は、双方の代表作と呼ぶに相応しい仕上がりの作品です。「辛い、苦しい、悩ましい」の三拍子が揃ったニーソンofニーソンを是非。 年老いたらニーソンみたいな声になりたい。